スタッド・シャバン＝デルマス

スタッド・ジャック＝シャバン＝デルマス

フランス南西部、ジロンド県の県庁所在地であるボルドー市に位置するスタッド・ジャック＝シャバン＝デルマスは、サッカーとラグビーの両方に利用される多目的スタジアムです。現在の公式収容人数は34,694人となっており、ボルドーにおける主要なスポーツ施設の一つとして、地域に根差した活動が行われています。

このスタジアムは、2001年に現在の名称へと変更されました。これは、約半世紀にわたりボルドー市長を務め、2000年に逝去したジャック・シャバン＝デルマス氏の功績を称え、その名を冠することになったためです。それ以前は、パルク・レスキュール（Parc Lescure）という名称で広く親しまれていました。名称変更は、長年にわたり市政を率い、都市の発展に貢献した人物への深い敬意を示すものです。

歴史と変遷

スタッド・ジャック＝シャバン＝デルマスの歴史は、比較的古く、1930年に遡ります。当初は自転車競技場として建設されましたが、その数年後、国際的な大イベントに対応するため、大規模な改築が行われることになります。1938年にフランスで開催されることとなった第3回FIFAワールドカップの会場として選ばれたため、1935年にはサッカー競技場としての機能を持たせる改修が実施されました。

この1938年ワールドカップでは、スタジアムは歴史的な一戦の舞台となりました。ブラジル代表とチェコスロバキア代表の間で行われた準々決勝は、両チームの激しいプレースタイルとそれに伴う複数の退場者、そして判定を巡る混乱から大規模な乱闘に発展し、「ボルドーの戦い」としてサッカー史に記憶されることとなりました。スタジアムは、単なるスポーツの場としてだけでなく、このようなドラマチックな出来事を見守ってきた場所でもあるのです。

その後も、スタジアムは国際的なスポーツイベントの会場として重要な役割を果たし続けます。1998年にフランスで開催されたFIFAワールドカップでも再び使用され、グループステージや決勝トーナメントを含む合計6試合がこの地で行われました。これは、60年の時を経て、再びサッカー界最高峰の大会を迎え入れたことを意味します。

サッカーに加えて、ラグビーにおいても重要な会場となっています。特にラグビーワールドカップにおいては、1999年大会と2007年大会で使用されました。1999年大会はウェールズを中心とした開催でしたが、フランス国内の会場としても機能し、スタッド・ジャック＝シャバン＝デルマスもその一つとなりました。2007年にはフランスが単独開催となり、主要会場の一つとして再びラグビーの熱戦が繰り広げられました。

特筆すべき記録

スタジアムの最多入場者数記録は、1985年4月24日に樹立されました。この日行われたボルドーとイタリアのユヴェントスFCとの試合には、40,211人もの観客が詰めかけました。これはスタジアムの現在の収容人数を上回るものであり、当時の熱狂ぶりを物語っています。

長年にわたり、スタッド・ジャック＝シャバン＝デルマスは、ボルドーのスポーツ文化の中心として機能してきました。自転車競技場として始まり、二度のサッカーワールドカップ、そして二度のラグビーワールドカップを含む数々の歴史的な試合やイベントを開催してきたこのスタジアムは、単なる競技場ではなく、ボルドーのスポーツの歴史そのものを体現する場所と言えるでしょう。地元クラブのホームスタジアムとして、また国際大会の舞台として、これからも多くのドラマが生まれることでしょう。

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開催された主な大会:

1938 FIFAワールドカップ
1998 FIFAワールドカップ
ラグビーワールドカップ1999
ラグビーワールドカップ2007

最多入場者数:

40,211人 (1985年4月24日, ボルドー 対 ユヴェントス) (当時の記録であり、現在の収容人数とは異なります。)*

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