スタニスワフ・ポニャトフスキ (1754-1833)

スタニスワフ・ポニャトフスキ

スタニスワフ・ポニャトフスキ（Stanisław Poniatowski, 1754年11月23日 - 1833年2月13日）は、ポーランド・リトアニア共和国後期の著名な貴族であり、公爵の称号を帯びていた人物です。彼は、ポーランド・リトアニア共和国最後の国王であるスタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキの甥にあたり、またフランス帝国の元帥として名を馳せたユゼフ・ポニャトフスキの従兄という、由緒あるポニャトフスキ家の重要な一員でした。共和国においては、王冠領近衛隊長や、1784年から1791年にかけてリトアニア財務長官を務めたほか、ストルィイの代官職も兼任しました。

生涯

スタニスワフは、大蔵官なども務めたカジミェシュ・ポニャトフスキ伯爵（後に公爵に昇爵）と、その妻アポロニア・ウストジツカの間に、長男としてこの世に生を受けました。叔父にあたる国王スタニスワフ2世アウグストは、長兄の息子であるスタニスワフを自身の推定相続人として期待していたとされます。国王の甥という恵まれた立場にあった彼は、十分な教育を受け、各地への旅行を通じて見聞を広めました。特に経済と美術に対して深い関心を抱いており、これらの分野で才能を発揮した側面もあります。しかし、伝えられるところによれば、彼の性格は尊大と受け取られがちで、共和国の貴族社会における評判は必ずしも芳しいものではありませんでした。

ポーランド・リトアニア共和国が周辺列強によって分割され、国家としての存在が失われた後、スタニスワフは故国を離れることを余儀なくされました。彼はイタリアへと亡命し、当初ローマに滞在した後、最終的にフィレンツェに居を定めました。このスタニスワフ・ポニャトフスキこそが、現代に続くポニャトフスキ家の全ての成員にとっての祖先となっています。

私生活と子女

スタニスワフはイタリア人女性のカッサンドラ・ルーチと深い関係を持ちましたが、彼女は既にヴィンチェンツォ・ヴェントリーニという人物の妻であったため、正式な結婚という形を取ることはありませんでした。カッサンドラとの間には、3人の息子と2人の娘、合計5人の子供を儲けました。特筆すべきは、これらの子供たちのうち、2人の息子が後に嫡出子として認められ、オーストリア帝国の侯爵位や、トスカーナ大公国のモンテロトンド伯爵および公爵の称号を継承したことです。

彼の子女たちの内訳は以下の通りです。

イザベッラ・ルーチ（1806年 - 1896年）：プロスペロ・ベンティヴォグリオ伯爵と最初の結婚をし、後にザノビオ・ルーチと再婚しました。後者との間に生まれた娘マリア・アンナ・ルーチ（マリアンヌ）は、フランスのナポレオン1世の非嫡出子であるアレクサンドル・ヴァレフスキ伯爵と結婚し、その後、アレクサンドルの従弟にあたるナポレオン3世の愛人としても知られることになりました。
カルロ・ルーチ（1808年 - 1887年）：1847年に嫡出子として正式に認められ、ポニャトフスキ姓を名乗ることを許されました。同年にトスカーナ大公国でモンテロトンド伯爵に叙され、1850年には同国でモンテロトンド公爵、そしてオーストリア帝国でもポニャトフスキ侯爵の爵位を得ました。エリーサ・ナポレオーネ・モンテカティーニと結婚しましたが、彼女との間に直系の子孫は途絶えています。
コンスタンツァ・ルーチ（1811年 - 1851年）：ダニエーレ・ザッピ伯爵と結婚しました。
ジュゼッペ・ミケーレ・ルーチ（1814年 - 1873年）：1847年に兄カルロと共に嫡出子として認められ、ポニャトフスキ姓を称するようになりました。兄と同様の爵位を授与されたほか、自身は作曲家および歌手としても活動しました。マティルダ・ペロッティ伯爵夫人との間に一人息子のスタニスラスを儲け、このスタニスラスはフランスのシャルル・ド・モルニー公爵の非嫡出の娘であるルイーズ・ル・オンと結婚し、子孫を残しました。
* ミケーレ・ルーチ（1816年 - 1864年）

叙勲

スタニスワフ・ポニャトフスキは、ポーランド・リトアニア共和国の最高勲章である白鷲勲章を、1773年12月8日に授与されています。

ポーランドの激動期を生きたスタニスワフは、国王の甥という地位、公職での経歴、経済や美術への造詣、そしてイタリアへの亡命生活を経て、現在のポニャトフスキ家の始祖として歴史に名を刻んでいます。非嫡出子ながらも爵位を受け継いだ息子たちの存在は、当時の複雑な社会状況と彼の立場を物語る特徴的なエピソードと言えるでしょう。

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