スタンピードとは？意味をやさしく解説

スタンピードとは

スタンピード（stampede）とは、大型動物の群れが、興奮や恐怖などの感情によって、突然同じ方向に走り出す現象を指します。この現象は、動物だけでなく、人間にも起こりうるものであり、特に人が密集する場所で発生する群集事故の原因となることがあります。

動物のスタンピード

スタンピードを起こす動物としては、シマウマ、ウシ、ゾウ、トナカイ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、オグロヌー、セイウチ、ノウマ、サイなどが知られています。

特にウシは、些細なことでスタンピードを起こしやすい動物として知られています。夜中にマッチを擦ったり、馬が身震いしたり、雷が落ちたり、回転草が群れに飛び込んだりするだけでも、群れ全体がパニックに陥り、一斉に走り出すことがあります。スタンピードが起きると、その進路上にあるものは押しつぶされたり、破壊されたりします。そのため、カウボーイは、スタンピードが発生した際には、ウシの群れを円を描くように誘導し、崖から落ちたり、川に飛び込んだりするのを防ぐ必要があります。また、拳銃を撃って、群れの先頭を走るウシの方向を変えさせるなどの対策も行われます。

ウシは、放牧されて分散している状態ではスタンピードを起こしにくい傾向があります。そのため、カウボーイは、夜間に歌を歌ったり、口笛を吹いたりして、ウシを落ち着かせることもあります。また、下馬したり、マッチを擦ったりするような、スタンピードを誘発する可能性のある行為は、ウシから離れて行うことが重要です。

歴史的には、戦争や狩猟において、意図的にスタンピードを起こさせることがありました。例えば、アメリカ先住民の中には、バイソンの群れを崖に追い込み、落下死させる「バッファロー・ジャンプ」という狩猟方法を用いていた人々がいました。

人間のスタンピード

人間のスタンピードは、宗教的な巡礼や大規模な娯楽イベントなど、人々が密集する場所で発生しやすい傾向があります。このような場所では、人が過度に密集し、身動きが取れない状態になりやすいため、パニックが発生すると、群衆が雪崩のように移動し、群集事故につながることがあります。

また、人が密集している場所で、有毒ガスの放出など、危険な状況が発生した場合にも、人々がパニックに陥り、スタンピードが発生することがあります。

スタンピードと群集事故

一部のメディアでは、人が密集する場所で発生する事故を「スタンピード」と呼ぶことがありますが、これは正確ではありません。英語では、群集がパニックに陥って一斉に逃げ出す際に発生する事故を「stampede」と呼びますが、単に人が密集しすぎて発生する事故は「crowd crush」または「crowd collapse」と区別します。しかし、これらの用語は混同されやすいのが現状です。

「stampede」という言葉には、被害者も不合理な行動をとったというニュアンスが含まれるため、グリニッジ大学のエドウィン・ガレア教授は、この言葉の使用を避けるべきだと提唱しています。

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