スタークルーズ

スタークルーズ：自由なクルージングスタイルを提唱したクルーズブランド

スタークルーズは、香港のゲンティン[[香港]]が運営していたクルーズブランドです。シンガポールを拠点に、東アジアから東南アジア各地でカジュアルなクルーズを提供していました。

急成長と変遷

1993年の創業以来、スタークルーズは非欧米系のオペレーターとして初めてメガシップを建造するなど、急成長を遂げました。2000年にはノルウェージャン・クルーズライン（NCL）を買収し、業界再編を経て2010年頃には世界第3位にランクイン。NCLには新造船を投入し、旧型客船をスタークルーズに転属させるという運用を行っていました。その後、2013年にNCLが株式上場、2018年までにスタークルーズはNCL株を完全に売却しました。

スタークルーズは、マレーシアでカジノやホテルを経営するゲンティン・グループの傘下企業であり、ゲンティン[[香港]]が運営していました。競争の激しいホテルや政府の補助が必要な航空業を避け、北米で急成長していたクルーズ客[[船]]事業に着目し、1993年に設立されました。社名とファンネルマークは、マレーシアの国教であるイスラム教への信仰を表しています。

1999年には社名をゲンティン[[香港]]に変更し、スタークルーズ等のクルーズ事業を核に、マニラでカジノリゾート「リゾートワールドマニラ」を運営していました。日本では1990年代終期から2000年代初期にかけてテレビCMを放映していましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うゲンティン[[香港]]傘下の造船所の倒産により、2022年に倒産し営業を終了しました。

フリースタイル・クルージング

スタークルーズは、従来のクルーズの「様々な制約の中で楽しむ」という保守的な考え方を一新し、「フリースタイル・クルージング」を提唱しました。これは、より自由に、より気軽にクルーズを楽しめる新しいスタイルです。

例えば、フリースタイル・ダイニングでは「好きな時に、好きな人と、好きな物を、好きなテーブルで」楽しむことができ、ノーチップ制も導入されていました。また、本格的な客船を1泊1万円程度からの手頃な料金と1泊からの日程で体験できる点も魅力でした。

アジアンホスピタリティー溢れるカジュアルなサービスは、クルーズ初心者でも楽しめると評判でした。クルーズ代金には基本的な食事代やエンターテイメント費が含まれており（飲み物は有料）、有料レストランでは和食やフランス料理など、ワンランク上の食事も楽しめました。また、貸切スペースも豊富で、企業や学校の団体旅行にも対応していました。

台湾、香港、シンガポールを起点とする定期航路では、日本人乗務員が乗務している客船もありました。船内では、各種イベントやレストランの情報が日本語で提供され、寄港地では日本語のオプショナルツアーも用意されており、日本人乗客へのサービスも充実していました。

船隊

スタークルーズの船隊は、メガスター、ヴァーゴ、ジェミニ、パイシス、リブラなどがありました。当初は中古船やフェリーからの改造船を使用していましたが、ヴァーゴの姉妹船であるスーパースター・レオを建造するなど、規模を拡大していきました。しかし、NCLを買収したことで、スタークルーズ用に建造されたメガシップがNCLに配船されることになり、中古船なども残ることになりました。

スタークルーズは、黄道十二星座に由来する名前を船名に採用していました。2007年には、NCLの「ノルウェージャンウィンド」を「スーパースター・アクエリアス」として移籍させ、15万トンクラスの大型船を2隻建造中でした。

日本との関わり

スタークルーズは、かつて神戸や長崎を起点に朝鮮半島を巡る定期クルーズを行っていましたが、採算が取れず撤退しました。1999年頃には、鹿児島に寄港するチャータークルーズも行われていました。また、台湾を拠点とした沖縄クルーズは盛況でしたが、台風などを理由に撤退しました。しかし、2007年にはリブラを用いて沖縄クルーズを再開しました。

2017年には、スーパースター・ヴァーゴを用いて大阪・横浜を拠点とする上海経由の日本発着便を17年ぶりに再開しました。このクルーズでは、吉本興業所属の芸人によるエンターテイメントショー「ヴァーゴtheよしもと@クルーズ」が開催され、日本向けのサービスが充実していました。

スタークルーズは、自由でカジュアルなクルージングスタイルを提供し、多くの人に愛されたクルーズブランドでしたが、その歴史は2022年に幕を閉じました。

クルーズ客[[船]]

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