スタートレックIII ミスター・スポックを探せ!

スタートレックIII ミスター・スポックを探せ!

『スタートレックIII ミスター・スポックを探せ!』は、1979年から1991年にかけて製作されたオリジナルシリーズの映画の中で3作品目にあたります。この作品は、スポック役を演じたレナード・ニモイが初めて監督を務めたもので、彼の独自の視点が見事に反映されています。タイトルはスポックを探し出すという明確な目的を示しており、物語は彼の死から始まります。

物語は、エンタープライズ号の乗組員たちがスポックのために宇宙葬を行った後、悲しみの中で帰還するところから始まります。しかし実は、スポックの分身体は生まれ変わり、無防備な状態で新しい惑星、ジェネシスに存在していました。スポックは自己の魂をドクターマッコイに託しており、そのことをカークは知ります。カークは、スポックを救うために司令官に申し出るものの、軍規によりジェネシス星には近づくことができません。

カークたちは、スポックの肉体と彼の魂を救うため、エンタープライズ号を奪取しジェネシスへ向かうことを決意します。しかし、カークの息子デビッドが指揮する科学船グリソムもまた、ジェネシスへ向かっていました。ところが、クリンゴンのクルーグによってグリソムは破壊され、デビッドと仲間たちは捕虜となってしまいます。この時、ジェネシス装置がもたらした不安定な環境がさまざまな危機を引き起こします。

作品の中で、ジェネシスの惑星は急激な老化により崩壊へと向かい、物語はその緊迫感で満ちています。音楽はジェームズ・ホーナーが手がけ、映像効果はインダストリアル・ライト&マジックが担当。これらの要素が相まって、緊張感あるSFの冒険が展開されます。

また、この映画ではクリンゴン語が多く用いられ、特に言語学者のマーク・オークランドによる創作が映像表現に彩りを与えています。日本では、クリンゴン語のセリフも日本語に吹き替えられており、各バージョンで音声も異なります。日本テレビ版はモノラル音声ですが、ソフト版では5.1chサラウンド音声で楽しむことができます。

監督レナード・ニモイによる演出のもと、スタートレックファンのみならず、新たに興味を持つ観客にも深い感動を与える内容となっています。『スタートレックIII ミスター・スポックを探せ!』は、シリーズの魅力が詰まった作品であり、視覚的な面白さだけでなく、物語の深さ、登場人物の成長や絆を描いている点でも極めて重要な一作です。

もう一度検索