スティーブン・ガーディナー (聖職者)

スティーブン・ガーディナー

スティーブン・ガーディナー（1483年7月27日 - 1555年12月12日）は、イングランドの聖職者であり政治家として、宗教改革の重要な時期に活動した人物です。彼は国教会が確立される中で、カトリック信仰を堅持し、プロテスタントの改革派と対立しました。その活動は主に宗教的な争いを中心に展開され、多くの重要な歴史的事件に影響を与えました。

生涯の初期

ガーディナーはケンブリッジ大学で法学を学び、ハワード家の家庭教師として教育ののち、1525年にはトマス・ウルジーの秘書に就任しました。ウルジーは当時の重要な政策決定に関与しており、ガーディナーもその影響を受けました。1528年には、ヘンリー8世とキャサリン・オブ・アラゴンの離婚問題についてローマ教皇と交渉し、イングランドでの婚姻無効の裁判を主宰する権限を得ることに成功しますが、この試みは失敗に終わりました。

政治的な登場

彼はまた、1529年にエドワード・フォックスと共にトマス・クランマーを王に引き合わせ、出世のきっかけを作ります。クランマーはその後カンタベリー大司教に就任しましたが、ガーディナーは彼との対立に巻き込まれます。1531年にウィンチェスター司教としての地位を得ますが、カンタベリー大司教への後任候補から外れることになります。

宗教的対立

ガーディナーは、国王の離婚と教皇権の否定を支持する一方で、カトリックの立場を堅持し、プロテスタント派の進展に対抗する行動を取りました。特に1538年には、クロムウェルが全ての教会に英語訳聖書を備える命令を出したことを受けて、ノーフォーク公と連携してカトリック寄りの信仰に戻す動きを見せます。これにより、議会制定法の6箇条法が制定されるなど、彼の影響力が再び増しました。

対抗と陰謀

1540年には、ノーフォーク公と共にクロムウェルの失脚を図ります。彼らは王妃アン・オブ・クレーヴズとの結婚破綻の責任を追及し、クロムウェルを処刑に追い込みます。しかし、1543年にクランマーの異端信仰を王に讒言する試みは失敗に終わり、王の保護を受けたクランマーはしばらくの間、その地位を保持します。

また、ガーディナーは1546年にキャサリン・パー、ヘンリー8世の6番目の王妃についても陰謀を巡らせ、プロテスタント改革を阻止しようと試みました。彼は王にキャサリンを異端の疑いで貶めようとしましたが、最終的には王に投獄される結果となりました。

メアリー1世の治世と最期

ヘンリー8世の死後、エドワード6世の治世では彼の影響力は衰え、最終的にはプロテスタントのジョン・ポネットにウィンチェスター司教を取って代わられます。しかし、1553年にメアリー1世が即位すると、ガーディナーは再び権力を取り戻します。彼は大法官にも任命され、カトリック復活の政策を推進しました。

彼の政治活動は、スペイン王太子フェリペとの結婚に対する反対意見を表明することを含んでいました。1554年には、メアリー1世のカトリック復帰宣言を支持し、議会で取り上げることになります。

1555年12月、ガーディナーはその生涯を閉じ、イングランドの宗教的風土に深い影響を与えた重要な政治家として歴史に名を刻むこととなります。

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