スティーブン・キングに関する書籍一覧

スティーブン・キング関連書籍の世界

ホラー、サスペンス、ファンタジーと、多様なジャンルで数多くのベストセラーを生み出し続けている作家、スティーブン・キング。彼の広大で複雑な作品世界や、作家としての内面に迫ろうとする試みは、キング自身の執筆活動と並行して、世界中で様々な書籍として結実してきました。ここでは、それらの関連書籍の一部を、出版された年代を追って紹介します。

関連書の刊行は1980年代から活発になります。

1980年代：評論と研究、そしてインタビュー

1981年には、キング自身による重要なノンフィクション作品『死の舞踏』（原題: Danse Macabre）が発表されました。この書籍は、ホラーというジャンルの歴史をキング自身の視点から論じつつ、彼自身の創作観についても触れており、後に複数の出版社から日本語訳も刊行されています。同年にはエドワード・J・ザゴースキーによる研究書も出ています。

1984年には、ダグラス・E・ウィンターによるキングの生涯と作品に焦点を当てた『Stephen King: The Art of Darkness』が出版され、初期の本格的な研究書として注目を集めました。1986年にはティム・アンダーウッドとチャック・ミラーによる著作が、1988年にはドン・ハーロンによる1980年代後半のキング作品に関する研究書が登場します。

同じ1988年には、ティム・アンダーウッドとチャック・ミラーによるインタビュー集『Bare Bones』も刊行され、日本では『悪夢の種子』というタイトルで翻訳が出版されました。作家本人の言葉を通じてその思考に触れることができるこれらのインタビュー集は、ファンにとって貴重な資料となります。

1989年には、ジョージ・ビームによる『The Stephen King Companion』やタイソン・ブルーの『The Unseen King』が出版されました。ビームのコンパニオンは『必携スティーブン・キング讀本』として日本語訳も出ており、初期のキング入門書として親しまれました。

1990年代：事典、クイズ、そして批評の深化

1990年代に入ると、スティーブン・キング作品の細部にまで踏み込んだ、より専門的な書籍や、ファンが楽しめる書籍が登場します。Stephen Spignesiは、1990年にクイズ本を、1991年にはキング作品に関する包括的な事典『The Complete Stephen King Encyclopedia』を刊行しました。彼の著作はその後も複数にわたり、キング作品世界の詳細を掘り下げています。

1992年には、Tony Magistrale編による評論集『The Dark Descent』が出版され、キング作品の文学的な側面を分析する試みがなされました。また、Spignesiはクイズ本の続編も出しています。

1996年には、日本の評論家である風間賢二氏による『スティーヴン・キング : 恐怖の愉しみ』が刊行され、日本独自の視点からの批評も行われるようになります。1998年には、著名な文学批評家ハロルド・ブルームが編纂した批評集『Stephen King』がModern Critical Viewsシリーズの一冊として出版され、キング作品が文学研究の対象として確立されてきたことを示唆しています。

2000年以降：創作論と網羅的なガイドブック

2000年には、キング自身が自身の作家人生と創作の技術について語った『On Writing: A Memoir of the Craft』が出版されました。これは作家を目指す人々にとっても重要な示唆に富む内容であり、『小説作法』、『書くことについて』として日本語訳も出ています。

2001年には、スタンリー・ウィアターらによるキング作品の舞台裏や世界観を解説したガイドブック『The Stephen King Universe』が登場し、作品同士の繋がりなどを詳細に解説しています。Stephen Spignesiも再び『The Essential Stephen King』を刊行するなど、網羅的な情報を提供する書籍が増加します。

2003年以降は、ロッキー・ウッド、デイヴィッド・ロースソーン、ノーマ・ブラックバーンといった研究者たちが、キング作品のガイドブックや、未発表作品に関する詳細な調査に基づいた書籍を次々と発表しています。彼らの著作はキング研究の最新の成果を示すものと言えるでしょう。

2011年以降も、映画化に特化したクイズ本や、キングの発言を集めた引用句集、作品を文学的な視点から論じる書籍など、多様な切り口の関連書が継続して刊行されています。これらの書籍群は、スティーブン・キングという作家がいかに多角的な関心を集め、その作品世界が奥深い探求の対象となっているかを物語っています。キングの作品を読む際に、これらの関連書を参照することで、より深い理解や新たな発見が得られることでしょう。

もう一度検索