スティーブン・キング/アーバン・ハーベスト2

1996年に製作・公開されたホラー映画『スティーブン・キング/アーバン・ハーベスト|スティーブン・キング_アーバン・ハーベスト2』（原題：Children Of The Corn IV: The Gathering）は、スティーヴン・キングの短編小説を原作とする一連の『チルドレン・オブ・ザ・コーン』シリーズにおける第四作目に数えられる作品です。

シリーズ全体を通して語られる、トウモロコシ畑に潜む謎の存在「とうもろこしのすぐ後ろを歩くもの」や、それに従う排他的な子供たちのカルト集団といった中心的なテーマや設定からは大きく逸脱しており、過去の作品との直接的な繋がりはほとんどありません。そのため、シリーズを知らない観客でも単独のホラー映画として鑑賞することが可能であり、事実上、独立した番外編的な位置づけにあると言えます。

物語の舞台となるのは、静かで閉鎖的な田舎町オマハ・クリークです。主人公は、病気の母親を看病するために故郷に戻ってきた看護学生のグレース・ローズです。彼女は、次第に町で起きる不可解な現象に気づき始めます。それは、町の子供たちが突如として異常な行動を取り始め、狂気に駆られたかのように大人たちに危害を加え始めるというものでした。

この異常事態は、単なる集団ヒステリーや病気では片付けられない、超常的な力が関与していることを示唆しています。その原因は、遠い過去にこの町で起きた凄惨な出来事、特にカトリック学校で起きたある悲劇と、そこで命を落とした少年の怨念や悪霊的な存在にあることが仄めかされます。子供たちは、その少年の霊的な影響を受けることで、本来の無邪気さを失い、冷酷かつ暴力的な存在へと変貌していきます。

主人公グレースは、妹や弟を含む町の子供たちが次々と異変に侵されていくのを目の当たりにし、この恐ろしい現象の真相を突き止め、町を救うために立ち向かいます。彼女は、医学的な知識と本能的な危機感を頼りに、古くから伝わる町の秘密や過去の因縁に深く関わっていくことになります。物語は、子供たちによる予測不能な襲撃と、その背後に潜む超常的な恐怖が交錯しながら展開していきます。

主要キャストとして、主人公グレース・ローズを演じるのは、後のハリウッドで活躍するナオミ・ワッツです。本作は、彼女のキャリア初期の主演作の一つとして知られています。グレースの妹マーガレットをジェイミー・レネー・スミス、弟ジェームズをマーク・サリングが演じました。また、大人キャストとしてブレント・ジェニングス、サマリア・グレアム、ウィリアム・ウィンダム、そしてベテラン女優のカレン・ブラックらが顔を揃えています。

製作スタッフは、グレッグ・スペンスが監督を務め、スティーヴン・ビーガーと共に脚本も担当しました。原作はホラーの巨匠スティーヴン・キングですが、物語の大部分は映画オリジナルの要素によって構成されています。製作はギャリー・デピュー、撮影はリチャード・クラボー、音楽はデヴィッド・ウィリアムズ、編集はクリストファー・シベリが担当しました。

『スティーブン・キング/アーバン・ハーベスト|スティーブン・キング_アーバン・ハーベスト2』は、シリーズのファンからは異色作として評価される一方で、子供の純粋さと暴力性のコントラストを用いたホラー描写に特色があります。超常的な力を得た子供たちの恐怖を描くという点ではシリーズの根底にある要素に触れつつも、特定の地域に根ざした過去の悲劇を軸にした物語は、独立したホラー作品としての側面を強く打ち出しています。

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