スティーブン・キング/死の収穫

スティーブン・キング/死の収穫（Children of the Corn II: The Final Sacrifice）

1992年に公開されたホラー映画で、スティーヴン・キングの原作に基づく『チルドレン・オブ・ザ・コーン』の続編にあたります。ただし、単なる続きを描くだけでなく、前作の設定やテーマを再解釈するようなリメイク的な要素も強く含んでいるのが特徴です。日本では、2024年の再上映の際に『チルドレン・オブ・ザ・コーン２／最後のいけにえ』という新たな邦題が与えられました。

物語は、前作で起こった恐ろしい出来事の後から始まります。前作で一度は壊滅したかに見えた、カルト的な信仰に支配された子供たちの集団。しかし、その脅威は完全に去ったわけではありませんでした。生き残った、あるいは新たに感化された子供たちの残党が再び結束を固め、彼らは隣接する町へとその影響力を広げ始めます。

隣町の住民たちは、前作で異様な事件が起きたガトリンという町から移送されてきた子供たちを受け入れますが、やがて不穏な空気が町全体を覆い始めます。子供たちは特異な結束力と異様な雰囲気を持ち、町の大人の視線を感じながらも何かを企んでいるかのようです。そして、大人たちが次々と不審な死を遂げる事件が発生し始めます。これらの事件は偶然ではなく、子供たちのカルト集団が背後で暗躍していることを示唆しています。子供たちは、彼らが信奉する「とうもろこし畑を歩く者」への信仰に基づき、自分たちの世界を維持するために、あるいは新たな信者を獲得するために、大人たちを排除しようとします。町は次第に恐怖と疑心暗鬼に囚われ、住民たちは目の前の子供たちが無邪気な存在ではなく、恐ろしい力を秘めた存在であることに気づき始めます。

本作は、前作『チルドレン・オブ・ザ・コーン』のホラーコンセプトを引き継ぎつつ、新たな舞台とキャラクターで展開されます。前作が閉鎖的な村の中で起こる恐怖を描いたのに対し、本作では外部の人間（隣町の住民）が子供たちの脅威に晒される構図が取られています。これにより、外部からの視点で子供たちの異様さやカルトの恐ろしさが描かれると同時に、子供たちが閉鎖的な環境から出て影響力を広げようとするスケールアップした側面も見られます。

この恐ろしい物語を紡ぎ出すために集められたキャストには、ポール・シェーラー、ロザリンド・アレン、クリスティ・クラーク、ショーン・ブリジャース、オーブリー・ダラーといった俳優たちが名を連ねています。彼らは、事態に巻き込まれる大人や、カルトに属する子供たちなど、様々な立場のキャラクターを演じ、物語に緊張感をもたらしています。

制作スタッフには、監督としてデヴィッド・F・プライスがメガホンを取りました。製作はデヴィッド・G・スタンリーとスコット・A・ストーン、製作総指揮はローレンス・モートフが務めています。原作はもちろんスティーヴン・キングの短編ですが、脚本はギルバート・アドラー、ビル・フローリック、A・L・カッツの三人が担当し、映画独自のストーリーを作り上げました。撮影はレヴィー・アイザックスが担当し、不気味なとうもろこし畑や事件現場を効果的に捉えています。特殊効果はボブ・キーン、音楽はダニエル・リットが手がけ、ホラー映画としての雰囲気を盛り上げています。編集はバリー・ゼットリンが担当し、物語のテンポを調整しています。

『スティーブン・キング/死の収穫』は、スティーヴン・キング原作の映画化作品の一つとして、また『チルドレン・オブ・ザ・コーン』シリーズの主要な続編として位置づけられています。B級ホラーのテイストを持ちながらも、子供の純粋さと狂気が融合した独特の恐怖を描き出し、シリーズファンにとって見逃せない一作となっています。

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