スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで

『スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで』（原題：Becoming Steve Jobs: The Evolution of a Reckless Upstart into a Visionary Leader）は、ジャーナリストであるブレント・シュレンダーとリック・テッツェリによって執筆されたスティーブ・ジョブズの伝記です。リック・テッツェリはビジネス雑誌Fast Companyの編集長であり、ブレント・シュレンダーはライター、編集者、作家として、デジタル革命のビジネスリーダーに関する記事で高い評価を得ています。

本書は2015年3月24日に米国のCrown Publishing Groupから出版され、日本語版は2016年9月23日に井口耕二氏の翻訳により日本経済新聞出版社から刊行されました。

Appleが本書の制作に協力した背景には、広報担当であったスティーブ・ダウリング氏（当時）の「創業者のために、もっとできることがあるはずだ」という思いがありました。また、ティム・クックCEOがウォルター・アイザックソンによる既存の伝記『スティーブ・ジョブズ』の内容に不満を持っていたことも、本書制作を後押しする要因となりました。結果として、本書はApple社内からも肯定的な評価を得ています。

本書では、これまであまり知られていなかったエピソードも紹介されています。例えば、2009年にティム・クックがジョブズに肝臓の一部を提供しようと申し出た際、ジョブズはそれを強く拒否したというエピソードは、ジョブズの知られざる一面を垣間見ることができます。

書籍の表紙には、写真家ダグ・メネズ氏が撮影したジョブズのポートレートが使用されています。この写真は、メネズ氏の著書『無敵の天才たち スティーブ・ジョブズが駆け抜けたシリコンバレーの歴史的瞬間』にも掲載されています。

本書は、ジョブズの功績だけでなく、その人間性やリーダーシップの進化に焦点を当てた伝記として、多くの読者に新たな発見と感動を与えています。

参考文献

アンディ・ハーツフェルド "Would Steve Jobs Have Liked the New Biography? I Don’t Think So" April 14, 2015.
ダグ・メネズ『無敵の天才たち スティーブ・ジョブズが駆け抜けたシリコンバレーの歴史的瞬間』山形 浩生（訳）、翔泳社、2014年。ISBN 978-4798138572。

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