スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル

スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル

『スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル』（原題: Stephen King's Kingdom Hospital）は、2004年にアメリカのABCで放送された全13話から成るミニシリーズです。本作はデンマークのテレビドラマ『キングダム』（原題：Riget）のリメイクで、原作の舞台はコペンハーゲンですが、スティーヴン・キングが脚本と製作を担当し、アメリカ・メイン州に舞台を移しました。

あらすじ

この物語はメイン州ルイストンに位置する架空の病院、キングダム・ホスピタルが中心です。この病院は南北戦争の時代に軍服工場があった場所に建設されましたが、工場は大火事に見舞われ、その後、オールド・キングダムとして知られる病院が建設されました。しかし、この病院もまた火災の犠牲となり、その結果、現在のニュー・キングダム病院が建てられました。この病院のシンボルである不吉な深紅色の紋章は、施設の「呪われた過去」を暗示しているようです。

ストーリーは、自称霊能者のドゥルーズ夫人がキングダム病院で発生する奇怪な現象の真相を探る旅を描いています。彼女は病院の職員から仮病使いと疑われていますが、病院に潜む霊や過去の歴史に迫り、フック医師に協力を仰ぎます。

ピーター・リックマンという画家が交通事故に遭い、病院に入院します。彼は昏睡状態ですが、実は周囲の出来事を感じています。そして、病院の秘密組織「キングダムの番人」や、医療ミスを巡る騒動が絡み合い、キングダム病院に隠された悲劇が少しずつ明らかになっていきます。

キャラクター紹介

本作には多彩なキャラクターが登場します。フック医師は医療ミス撲滅を掲げる神経外科医で、彼の不真面目な一面とともに患者たちと向き合います。ステグマン医師は自慢好きの外科部長で、病院内の秘密結社に入ろうとしている一方、自らの保身を図ります。ブレンダ医師はステグマンの愛人であるが彼との関係が崩壊し、復讐を企てる意志の強い女性です。

ドゥルーズ夫人の息子ボビーや、奇妙な霊的存在であるオオアリクイに似た生き物、アンチュビスなども印象的です。特に、1860年代に工場の放火事件で命を落とした少女の幽霊・メアリーと、過去の敵対者で悪霊のポールとの対立が物語の中心にあります。

エピソード概要

各エピソードは、スティーヴン・キング独自のホラーと風刺が織り交ぜられており、コミカルな要素も数多く含まれています。特に医療ミスに関連する社会問題への言及もあり、単なるホラーの枠を超えた深みを持っています。

シリーズは、高評価を受けて放送開始当初は視聴率が良好だったものの、徐々に視聴率が減少し、最終的にはABCによる打ち切りが決まりました。作品はDVDとしても販売され、現在も多くのファンに愛されています。キングならではの個性的なキャラクターや異次元の世界観が、視聴者を引き込んでやみません。

『キングダム・ホスピタル』は、ホラージャンルを超えて、深く人間の内面や歴史を掘り下げる魅力を持った作品です。

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