スティーヴ・ジョーンズ

スティーヴ・ジョーンズ：パンク・ロックの火付け役

スティーヴ・ジョーンズ（Stephen Philip Jones、1955年9月3日 - ）は、イギリスを代表するパンク・ロックバンド、セックス・ピストルズのギタリストとしてその名を ప్రపంచに轟かせました。彼の粗削りながらもエネルギッシュなギタープレイは、パンク・ロックという新たな音楽ジャンルを確立する上で重要な役割を果たしました。2011年には、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において第97位に選出されています。

生い立ちと音楽への目覚め

ロンドンで生まれ育ったジョーンズは、少年時代をシェパーズ・ブッシュで過ごしました。幼い頃から不良仲間と窃盗を繰り返すなど、問題児としての一面を持っていました。ローリング・ストーンズのキース・リチャーズの家に忍び込み、ギターやアンプを盗んだという逸話も残っています。その後、マルコム・マクラーレンのブティック「セックス」に出入りするようになり、そこで後のセックス・ピストルズのメンバーとなるポール・クックらと出会います。当初、ジョーンズはボーカルも担当していましたが、ジョニー・ロットンの加入によりギタリストに転向しました。

セックス・ピストルズでの活躍

ジョーンズは、セックス・ピストルズの前身バンドである「スワンカーズ」にクックと共に参加し、その後、セックス・ピストルズを結成します。彼は、ロッド・スチュワート&フェイセズのようなロックンロールを演奏したいという願望を持っていましたが、ジョニー・ロットンの加入により、バンドはより「アンチ・ロックスター」的な方向へと進んでいきます。しかし、ジョーンズは自身のギターの腕を磨き続け、アルバム「勝手にしやがれ」では重層的なギターサウンドを披露し、その才能を開花させました。

解散後の活動

セックス・ピストルズ解散後、ジョーンズはブラジルでロニー・ビッグスらとレコーディングを行うなどした後、親友のポール・クックと「プロフェッショナルズ」を結成します。しかし、商業的な成功を収めることはできませんでした。その後は、スタジオ・ミュージシャンとして、ジョニー・サンダースやフィル・ライノット、アンディ・テイラーなど、様々なアーティストと共演しました。また、1987年には初のソロ・アルバム『マーシー』をリリース。1989年には、ザ・カルトのメンバーやアクセル・ローズがゲスト参加したセカンド・アルバム『ファイアー&ガソリン』を発表しました。1995年には、ガンズ・アンド・ローゼズのダフ・マッケイガンやマット・ソーラム、デュラン・デュランのジョン・テイラーと共にニューロティック・アウトサイダーズを結成し、アルバムを発表。hide率いるzilchにも参加しています。

ラジオパーソナリティとしての才能

2004年から2009年まで、ロサンゼルスのラジオ局Indie 103.1の番組「Jonesy's Jukebox」でパーソナリティを務め、音楽ファンから支持を集めました。

人柄

ジョーンズは、何かにのめり込むタイプであり、ウェイトリフティングに熱中した時期もありました。90年代中盤以降は長髪にしており、ジョニー・ロットンに「あいつのロン毛ったら、自分の髪の毛で自分のキンタマをくすぐれるくらい長いんだぜ」と評されたというエピソードも残っています。

セックス・ピストルズ時代は、ハンカチの四隅を括って帽子状にしたものを被って演奏することが多く、これは癖毛のため、他のメンバーのようなスパイキーヘアに出来なかった苦肉の策だったと言われています。

スティーヴ・ジョーンズは、パンク・ロックの歴史に名を刻んだだけでなく、その後の音楽シーンにも大きな影響を与えた偉大なギタリストです。

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