ステップ (フィギュアスケート)

フィギュアスケートのステップ：氷上の足跡が語る物語

フィギュアスケートにおけるステップは、単なる移動手段ではありません。それは、スケーターの技術、創造性、そして音楽への解釈が融合した、氷上に描かれる足跡の物語です。本記事では、フィギュアスケートのステップについて、その種類、ターン、シークエンス、そして得点という側面から掘り下げて解説します。

ステップとは何か

ステップは、基本的にストロークをして滑ることであり、厳密にはムーヴズインザフィールドに含まれます。しかし、競技会レベルでは、エッジを巧みに使い、複雑なステップを連続して行うことが求められます。これは「ステップシークエンス」と呼ばれ、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの必須要素となっています。

ステップシークエンスには、様々なステップとターンが含まれていなければなりません。そして、その難易度に応じて、レベル（Bから4の5段階）が与えられ、基礎点が変わります。レベルは技術審判によって判定され、レベルアップの要件を満たすか、それに匹敵する工夫が見られた場合に認められます。さらに、要素の出来栄えによってGOE（Grade of Execution：出来栄え点）による加点・減点評価を受けます。

2012-2013シーズン以降、男女シングルとペアではリンクの使い方による区分が廃止され、ステップシークエンス（StSq）という名称に統一されました。

ステップとターンの種類

ステップシークエンスを構成する要素として、様々なステップとターンが存在します。

ステップの種類:

トウステップ
シャッセ
モホーク
チョクトー
クロスロール
チェンジエッジによるカーブ

ターンの種類:

スリーターン
ブラケット
カウンター
ロッカー
ツイズル
ループ

これらのステップとターンを組み合わせることで、多様なステップシークエンスが生まれます。

ステップシークエンスの種類

ステップシークエンスは、リンクの使い方によって、以下の3種類に分類されます。

ストレートラインステップシークエンス (SlSt): リンクのショートサイドから反対側のショートサイドへ、またはリンクの対角線を直線的に進むステップシークエンスです。アイスダンスでは、それぞれミッドラインステップシークエンス、ダイアゴナルステップシークエンスと区別されます。距離が短いため、演技後半のクライマックスで行われることが多いです。
サーキュラーステップシークエンス (CiSt): リンクの短辺を直径とする円を描くように進むステップシークエンスです。開始位置と終了位置が円で結ばれる必要があり、円弧に隙間が開くと減点対象となります。遠心力がかかるため難易度が高いですが、男子シングルでは2種類のステップシークエンスが必要なため、以前は使用率が高かったです。
* サーペンタインステップシークエンス (SeSt): リンクの端から端まで大きく蛇行しながら進むステップシークエンスです。移動距離が最も長く、体力的負担が大きいにもかかわらず、他の2つのステップシークエンスと同程度の点数であるため、採用される割合は少ないです。ステップ要素が長すぎると見栄えが損なわれるという懸念や、1つのステップ要素に時間がかかりすぎるという理由もあります。

その他のステップ要素

シンクロナイズドトゥイズル: スピンのように回転しながら片足で移動するステップで、アイスダンスでのみ必須要素となっています。

得点について

ISUジャッジングシステムにおけるステップの得点は、要素のレベルとGOEによって決定されます。詳細については、フィギュアスケートの採点法を参照してください。

ステップは、フィギュアスケートの奥深さを象徴する要素の一つです。ステップに注目することで、フィギュアスケート観戦はさらにエキサイティングなものとなるでしょう。

もう一度検索