ステップファザー・ステップ

『ステップファザー・ステップ』の概要

『ステップファザー・ステップ』は、宮部みゆきが手掛けた日本の小説であり、1991年から1992年の間に『小説現代』（講談社）に短編が連載され、1993年には書き下ろし作品を加えた単行本として刊行されました。この作品は、主人公がプロの泥棒として双子の兄弟とともに、日常生活に潜むさまざまな事件に巻き込まれるというユーモアあふれるミステリーです。

物語の舞台

物語の中心にいる中学生の双子、宗野哲と宗野直は、両親が駆け落ちして家を出て行ったため、自分たちだけで生きていくことを余儀なくされています。彼らの生活は、すぐ近くで泥棒として生計を立てる主人公に影響されて展開し、物語は双子の成長と共に進んでいきます。主人公は泥棒であることを隠しながら、双子たちの父親代わりをやらされることになります。この不思議な関係性が物語のユーモラスな要素となり、読者を楽しませます。

受賞歴と影響

この作品は、2012年1月時点で累計100万部の売上を記録し、読者からの人気も高いです。さらに、雑誌で行われた読者投票では「ファンが選ぶ最も好きな宮部みゆき作品ランキング」で見事1位を獲得しました。こうした背景から、『ステップファザー・ステップ』は古典的なロングセラー作品として位置づけられており、世代を超えて親しまれています。

続編とドラマ化

1997年から1998年にかけて、続編として「バッド・カンパニー」、「ダブル・シャドウ」、「マザーズ・ソング」、さらには「ファザーズ・ランド」の4編が『小説すばる』（集英社）で発表されました。残念ながら、これらの作品は10年以上が経過しても単行本化されておらず、宮部みゆき自身も公式サイトで単行本化の予定がないことを断言しています。2012年には、この小説を原作とした連続テレビドラマも放映され、さらに多くの人々に作品の魅力が広がりました。

主な登場人物

本作に登場するキャラクターたちは、個性的でユーモアを持ち合わせています。主人公の泥棒は本名が不明で、一人称が「俺」となっています。叔父である情報屋の柳瀬は元弁護士です。また、双子の兄弟、宗野哲と宗野直はそれぞれ料理と家事が得意という才能を持っています。さらに、彼らの担任教師である灘尾礼子は、泥棒に対して不信感を抱く一方で、どこかで彼を信じたいという複雑な感情を抱いています。

書誌情報

この小説はすべて講談社から刊行されており、初版は1993年3月に上梓されました。その後、さまざまなフォーマットで再発行され、多くの人に楽しまれています。特に文庫版もあり、若い世代にも手に取りやすい形で存在しています。当作品は、宮部みゆき作品の中でも特にファンから支持を受けており、長い年月が経っても色褪せることなく、多くの愛読者を得ています。

まとめ

『ステップファザー・ステップ』は、笑いと感動にあふれる物語であり、宮部みゆきの特異な作風を感じさせる作品です。登場人物たちの人間関係や成長が描かれ、家庭の愛情や絆の大切さを伝えている点でも、多くの読者に共鳴し続けています。

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