ステファン (人形アニメ)

概要

2007年に公開された人形アニメーション映画『ステファン』は、株式会社プロペラによって制作されました。深刻な石油不足に直面したロボットたちの世界を舞台に、主人公であるブリキのロボット、ステファンの壮大な宇宙の旅を描いています。この作品は、ユーモアを交えながらも、地球の環境問題や、私たち自身の未来について深く考えさせられるテーマを持っています。第一作『ステファン 宇宙へ行く』に続き、翌2008年には続編『ステファンの恩返し』も発表され、その世界観を広げました。

ストーリー

物語の舞台は、石油が完全に枯渇し、飢饉と大恐慌に見舞われた2046年のロボットの国です。主人公のブリキロボット、ステファンは、故郷を救うため、全財産を投じて新たな星を購入し、心強い相棒のタラップと共に、生命線となるオイルを求めて宇宙開拓の旅に出ます。しかし、たどり着いたその星で彼らを待ち受けていたのは、想像を絶するほど個性的で変わり者ばかりのロボットたちでした。ステファンは、様々な困難に立ち向かいながら、果たしてこの未知の星で希望のオイルを見つけ出し、故郷へ持ち帰ることができるのでしょうか？

主要登場人物

ステファン：物語の中心となるブリキのロボット。高所恐怖症で涙もろい一面もありますが、根はロマンチストで、強い正義感と揺るぎない信念を持っています。新しい星での度重なる試練にも屈せず、故郷のロボットたちのため、必死に石油探査を続けます。
タラップ：ステファンの最も親しい友人であるラクダ科のロボット。穏やかな性格で、常にステファンの挑戦を静かに見守り、支えます。特に、高所恐怖症のステファンのために、自身の体にある階段を使って練習させ、克服を手助けしました。
ハーモニン：音楽をこよなく愛するロボット。体全体が様々な楽器で構成されており、あらゆる種類の音楽を奏でることができます。地球以外の星から自由を求め、保安官たちの星にやってきました。
保安官（スター・シェリフ）：ステファンがたどり着いた星の住民。非常に気難しい性格で、フィーゴを使って星を訪れるロボットたちを監視しています。自身は地下の住居に潜み、スクラップになったロボットを収集しています。彼の家には、どんな生命でも元通りにする力を持つとされる「いのちの石」があると言われています。
フィーゴ：保安官と行動を共にする、クイズに異常な情熱を燃やす星の住民。保安官の指示で来訪者を監視しますが、ついついクイズを仕掛けてしまい、相手と打ち解けてしまいます。少し抜けているものの、憎めない存在です。
店員：ステファンの故郷で宇宙不動産屋を営むロボット。頭部が営業用の電話になっているユニークな姿をしています。石油不足による不況の影響で星の売買が低迷し、苦境から架空の取引に手を染めてしまいます。

スタッフ

この作品の制作には、以下のスタッフが携わっています。

監督・脚本：内藤まろ
人形製作：すずきゆきひろ
アニメーター：恵戸敦、青木純
声：まろ
編集：水戸英樹
音楽：峯岸信太郎

関連商品と評価

本作は、OLC・ライツ・エンタテインメントからDVDとしてリリースされています。

『ステファン 宇宙へ行く』（2007年）
『ステファン ステファンの恩返し』（2008年）

また、その芸術性は高く評価され、第12回文化庁メディア芸術祭ではアニメーション部門の審査委員会推薦作品に選出されました。

作品の意義

『ステファン』は、可愛らしい人形とコミカルなストーリーの中に、現代社会が抱えるエネルギー問題や環境、そして未来へのメッセージを織り込んだ、子供から大人まで楽しめる作品です。個性豊かなキャラクターたちが織りなす冒険は、見る者に希望と勇気を与えてくれます。

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