ステファン・エドベリ

ステファン・エドベリ

ステファン・エドベリ（Stefan Edberg）は、1966年1月19日にスウェーデンのベステルビークで生まれ、かつて世界のテニス界で名を馳せたプロ選手です。彼の名前は、日本を含む多くの国では異なる発音で親しまれています。特に、日本ではスウェーデン語の発音「エドベリ」と呼ばれていますが、英語圏では「エドバーグ」と表記されることが多いです。エドベリはその端整な容姿から「グラスの貴公子」と称され、彼のプレースタイルも注目されていました。

彼はスウェーデンで育ったが、他の多くの選手がグラウンド・ストロークを武器にテニス界に挑んでいた中、エドベリはサーブ・アンド・ボレーを駆使して成功を収めました。このスタイルは当時としては珍しかったこともあり、彼のプレースタイルは独自のものとして際立っていました。エドベリはATPツアーで41回のシングルスの勝利を収め、ダブルスでも18回優勝するなど、シングルスとダブルスの両方で世界ランキング1位に輝いた数少ない選手のひとりです。特に彼の片手打ちバックハンドは特筆すべき武器であり、観客の心を掴んでいました。

来歴

エドベリのテニスキャリアは、1983年に全ての4大大会男子ジュニアシングルス部門を制覇し、ジュニア選手として初めて「年間グランドスラム」を達成したことから始まります。この記録は2012年現在も彼一人のものであり、さらにプロ転向した同年にロサンゼルスオリンピックの公開競技で優勝。いわば、オリンピックにおけるテニス復活前の特異な成功を収めました。1985年には全豪オープンで初めてのグランドスラム優勝を達成し、以降もウィンブルドンや全米オープンでも優勝を重ねます。

特に、1988年のウィンブルドンでは、土曜の試合が雨により月曜日に持ち越されるという異例の展開の中、ボリス・ベッカーを下して初優勝。この年、エドベリとマッツ・ビランデルの活躍により、スウェーデンは男子の4大大会を独占したと言われています。ソウル五輪にも出場したエドベリは、男子シングルス準決勝にてミロスラフ・メチージュに敗戦。ダブルスでも準決勝敗退となりましたが、銅メダルが授与される結果となりました。彼は1991年と1992年に全米オープンを連覇し、1992年の決勝では強豪ピート・サンプラスを打ち破る大金星を挙げます。

エドベリは、全豪オープン、ウィンブルドン、全米オープンの男子シングルスでそれぞれ2度ずつ優勝しており、唯一全仏オープンだけは制覇できぬままとなりました。ダブルスでも彼の腕前を発揮し、1987年には全米オープンおよび全豪オープンで優勝。この9年間のブランクを 뛰過至2016年最終年に見事復活を果たすと、全豪オープンの男子ダブルスで再度優勝を果たしました。

1996年に30歳で現役引退を決意したエドベリは、2004年7月に国際テニス殿堂入りを果たし、テニス界への貢献が称えられました。彼のスポーツマンシップにも光が当たり、ATPのスポーツマンシップ賞を数回受賞。さらに、その業績により“Stefan Edberg Sportsmanship Award”が設立されたことも特筆すべき点です。

引退後も彼はシニアツアーでの活動を行い、ロジャー・フェデラーのコーチを務めるなど、テニス界への影響を与え続けています。エドベリのキャリアと人柄は、今も多くのファンに愛され、尊敬されています。

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