ステーンケルケの戦い

ステーンケルケの戦い

ステーンケルケの戦い（英: Battle of Steenkerque）は、1692年8月3日に現在のベルギー・ワロン地域エノー州の都市ステーンケルケで行われた、イングランド・オランダ同盟軍とフランス軍の間での激しい戦闘です。この戦闘は、大同盟戦争（1689年 - 1697年）の一環として位置づけられています。

背景

1692年、スペイン領ネーデルラントにおいてフランス軍は、ナミュール包囲戦で成功を収め、その影響力を強めていました。フランス軍の司令官リュクサンブール公は、ナミュールから進軍し、同盟軍に有利な状況を作り出しました。対抗するために同盟軍の指揮官であるウィリアム3世は、フランス軍の動きを封じるべく戦略的行動を検討しました。

戦闘の始まり

特にウィリアム3世は、捕らえたフランスのスパイを利用して敵軍に誤った情報を流し、彼らの警戒を緩めることに成功しました。これにより、同盟軍は8月3日の早朝にフランス軍に対して奇襲攻撃を仕掛けました。最初の接触を持ったのは、ヴュルテンベルク＝ノイエンシュタット公フェルディナント・ヴィルヘルム率いる部隊でした。午前10時に交戦が開始され、戦いの火蓋が切られました。

戦況の変化

当初、フランス軍は混乱に陥り、同盟軍が優位に立つかに見えましたが、リュクサンブール公は軍を再編成し、逆襲に転じました。特に、シャルトル公フィリップなどのフランス王族が前線で奮闘し、軍の士気を維持しました。12時頃には、イングランド歩兵隊のヒュー・マッケイがフランス軍との接触を持ちますが、孤立した状態だったため反撃に遭い大きな危機に陥りました。その後、オランダ軍の援軍は到着できず、マッケイは戦死し、歩兵隊は壊滅的な損害を受けました。

戦闘の終息

戦闘は夕方まで続き、ブーフレールが合流した時点で同盟軍の態勢は厳しく、多くの損害を被りました。最終的にウィリアム3世は撤退を決定し、後方のオランダ軍の指揮官アウウェルケルク卿が背後を固めることで追撃を防ぎました。しかし、戦闘はフランス軍の勝利に終わりましたが、両軍ともに甚大な被害をこうむりました。

戦後の影響・その後の展開

戦闘後、ウィリアム3世はイングランドに帰国し、リュクサンブール公はフランスに凱旋しました。リュクサンブールは英雄として称賛される一方、ウィリアム3世は議会から非難を受け、厳しい立場に置かれました。翌年には再び両者は対峙し、再度激しい戦闘を繰り広げることとなります。

この戦いにおいて、フランスの兵士たちは習慣の襟飾りを改変し、戦闘中に迅速な準備ができるように工夫をしました。これが「ステーンケルケ」と名づけられ、18世紀半ばまでフランスで流行しました。ステーンケルケの戦いは、戦争の歴史の中で重要な転機を迎え、同盟の軍事戦略にも影響を及ぼしました。

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