ストッパー (漫画)

ストッパー

『ストッパー』は、水島新司による人気の野球漫画で、1987年から1992年にかけて『コミックバーガー』で連載されました。この作品は水島の昭和最後の連載作品の一つであり、架空のプロ野球チーム「大阪ガメッツ」（後に大阪ドリームスに改名）を舞台に、ドラフト外からチームに入団した三原心平の成長物語を描いています。

あらすじ

作品の主人公である三原心平は、投手としての技術は未熟でメンタル面も弱いキャラクターとして描かれます。彼の初期の投球スタイルは、超遅球や山なりの投球といったユニークなもので、これらの技術を駆使しながら打者を打ち取っていく姿が見どころです。さらに、エメリーボールやスピットボールといった不正投球技術も取り入れ、ストーリーにスリルを提供します。不正が発覚すれば罰則が科されるため、球の行方が重要なドラマの要素になります。

物語が進むにつれて、三原は投手から外野手へとコンバートされ、その結果として野手としての能力が爆発的に向上します。俊足巧打のバッターとして、広い守備範囲と強肩を持つ外野手としての姿が描かれ、一気に超一流レベルへと成長する様子は、読者にとって刺激的な展開です。

そして物語は急展開を迎え、所属チーム「大阪ガメッツ」が身売りされ、なんとその身売り先が三原自身となります。チームのオーナーが主人公であり、物語は一層厳しさと興奮を増します。また、ホーム戦では清潔な印象の白いユニフォームを着用する一方、ビジター戦では黒いユニフォームを身に着け、主人公とは考えられないようなダーティプレイが繰り広げられるという、善と悪を融合させたストーリー展開が魅力的です。

さらに、かつての水島の代表作『野球狂の詩』の東京メッツのキャラクターたちがライバルとして登場するのも注目ポイントです。特に、三原の成長とともに展開される競技の醍醐味やライバルとの対決は、ストーリーに深みを与えています。

主要キャラクターとその背景

• - 三原心平: 主人公。ドラフト外入団後、不正投球を駆使して成長し、外野手へと転身する。
• - 牛島和彦: 三原のモデルとなった元プロ野球選手。単行本第1巻には彼との対談も掲載されている。

この漫画は、読者に感動や興奮を与える一方で、野球の魅力やチームスポーツの厳しさも表現しており、野球ファンはもちろん、多くの人々に訴える要素が満載です。全12巻でその物語は完結し、後に講談社漫画文庫としても全8巻にまとめられています。

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