ストリップライン

ストリップラインの概要

ストリップライン（Stripline）は、特に通信技術や無線機器において利用される伝送路の一種です。この構造は、導体箔を内外に形成した板状の誘電体基板から成り立っており、内部に線状の導体が配置されています。これにより、電磁波の伝達が可能になります。

ストリップラインの構造

ストリップラインの特長は、電磁波を送信するための内部導体と、その周囲を囲む外部導体を持つ点にあります。この内部導体に対して形成される電界は、導体から外部に向かう方向に存在し、さらには導体を囲むように形成される磁界によって、電磁波が効率的に伝達されます。具体的には、同軸ケーブルの外部導体の両側面を切り開いただけの形状をイメージするとわかりやすいでしょう。

メリットとデメリット

ストリップラインは、伝送路から漏洩する電磁波が非常に少ないことが大きな利点です。このため、通信の品質を保ちながら、外部からの干渉を防ぐことができます。しかし、欠点としては、表面、裏面、および内部の三層に導体のパターンを形成する必要があるため、製造プロセスが複雑です。このため、ストリップラインと同じ役割を果たしつつ、製造が比較的簡易なマイクロストリップラインが一般的に多く使用されています。

無線機器における利用

携帯電話などの小型無線機器では、ストリップラインが特に利用されています。近年の機器は高密度実装が求められることが多く、通常6層や8層の基板が使用されています。このような設計では、ストリップラインの配置に問題がなく、これに加えてストリップラインの真上や真下にも部品を配置することができるため、その利用頻度が高まっています。

関連項目

マイクロストリップライン: ストリップラインの簡易版であり、製造が容易で多くの用途で使われます。
スロットライン: ストリップラインと比較して異なる構造であり、特定の条件で有利です。
* コプレーナ導波路: ストリップラインと同様に電磁波を伝送するために用いられ、異なる特性を持つ伝送路です。

このように、ストリップラインは特に無線通信の分野で重要な役割を果たしており、その構造や使用方法についての理解が進むことで、今後の技術革新が期待されます。

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