ストレンジ・マジック

「ストレンジ・マジック」（Strange Magic）は、エレクトリック・ライト・オーケストラ（ELO）が1975年に発表した楽曲で、日本では「不思議な魔術」という邦題でも知られています。この曲は、ELOのアルバムに収録されたバラードであり、当初はシングルカットされる予定はありませんでした。

しかし、レコード会社の推薦によりシングルとしてリリースされることになり、結果的にELOの代表的な楽曲の一つとして広く認知されるようになりました。ジェフ・リン自身も「ヒットするなんて予想もしなかった」と語っています。

「ストレンジ・マジック」の特徴的な要素の一つは、キーボード奏者のリチャード・タンディーによるギターソロです。ジャズに精通していたタンディーのプレイは、ジェフ・リンから「うってつけだ」と賞賛されるほど、楽曲に深みと彩りを加えています。彼のソロは、バラードの美しい雰囲気を損なうことなく、楽曲に独特の個性を与えています。

アルバムバージョンでは、イントロの前に短いストリングスの幕間が収録されており、次曲の「ダウン・ホーム・タウン」とクロスフェードで繋がっています。この演出により、アルバム全体としての流れがスムーズになり、より音楽の世界観に浸ることができます。

また、「ストレンジ・マジック」は、ソフィア・コッポラの1999年の初監督映画「ヴァージン・スーサイズ」のダンスシーンで使用されたことでも知られています。映画の印象的なシーンで使用されたことで、楽曲は新たなファンを獲得し、幅広い層に認知されるきっかけとなりました。

2012年には、ジェフ・リンがELO時代の楽曲をセルフカバーしたアルバム『Mr. Blue Sky: The Very Best of Electric Light Orchestra』にも収録されました。セルフカバーバージョンは、オリジナルとは異なる新たな魅力が加わり、ファンにとっても特別な一曲となっています。

さらに、TVスペシャル「Live from Bungalow Palace」では、アコースティックギターとピアノのみで演奏された音源が、アルバム「アームチェア・シアター」の日本盤ボーナストラックに収録されています。アコースティックバージョンは、オリジナルの壮大な雰囲気とは異なり、よりシンプルで温かみのあるサウンドが楽しめます。

近年では、コンサートで「見果てぬ想い」と日替わりで演奏されることもあり、ELOのライブパフォーマンスにおいても重要なレパートリーの一つとなっています。「ストレンジ・マジック」は、発表から長い年月を経た現在でも、多くの人々に愛され続けているELOの代表曲と言えるでしょう。

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