ストロベリームーン

ストロベリームーンとは？

ストロベリームーンとは、6月の満月を指す俗称です。ロマンチックな名前ですが、天文学の正式な用語ではありません。アメリカ先住民の風習に由来する名称で、月の色がイチゴのように赤くなるわけではありません。

ストロベリームーンの由来

ストロベリームーンの名前は、アメリカ合衆国五大湖周辺に暮らすオジブワ族の生活に由来します。彼らは、イチゴの収穫時期に昇る満月を「ストロベリームーン」と呼んでいました。自然と共に生きる彼らの知恵が詰まった美しい呼び名です。

ヨーロッパでは、「ハニームーン」「ミードムーン」「フルローズムーン」など、地域によって様々な名前で呼ばれています。

赤い月の誤解

2010年代後半から、日本のメディアでストロベリームーンが取り上げられる際、「月がイチゴのように赤く見える」という誤った情報が広まりました。実際には、イチゴのような鮮やかな赤やピンクに染まるわけではなく、赤みや黄色みを帯びて見える程度です。

月が赤く見える原理は、夕焼けと同じです。地平線近くにある月光は、大気中のチリや水蒸気によって散乱され、波長の短い青い光は散乱しやすく、波長の長い赤い光が届きやすいために赤く見えるのです。夏至の頃は月が低い位置を通るため、赤く見える機会が多くなります。

ストロベリームーンと恋愛

ストロベリームーンには、「恋を叶えてくれる月」というロマンチックな異名があり、好きな人と一緒に見ると結ばれる、恋愛運が上がるといった言い伝えがあります。名前の可愛らしさや、月が持つ神秘的なイメージが、恋愛と結びつけられたのかもしれません。

満月は、古来より豊穣や生命力の象徴とされ、恋愛に幸運をもたらすと考えられてきました。満月の時期に排卵を迎える女性が多いという説もあり、古代ギリシャ人やケルト人、中世ドイツのユダヤ人は、満月の日に結婚式を挙げる習慣があったそうです。

ストロベリームーンを楽しむ

ストロベリームーンは、その名前の由来や言い伝えを知ることで、さらに深く楽しむことができます。ぜひ、夜空を見上げて、ストロベリームーンの優しい光に包まれてみてください。

参考文献
ドナ・ヘネス 著、真喜志順子 訳『月の本』河出書房新社、2004年

関連項目
ブルームーン
* スーパームーン

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