ストーム (マーベル・コミック)

ストーム（Storm）

ストーム（本名：オロロ・マンロー）は、マーベル・コミックに登場する、気象を操る能力を持つスーパーヒロインです。彼女はX-メンの重要なリーダーの一人であり、ブラックパンサーとの結婚を通じて、ワカンダの女王という地位も得ています。2014年には、ファンタスティック・フォーに一時的に参加しました。

レン・ウェインとデイブ・クックラムによって創造され、1975年の『ジャイアントサイズ X-メン』1号で初登場しました。ストームは、黒人女性キャラクターとして、コミック界に大きな影響を与えました。

出版の歴史

起源（1970年代）

ストームは、『Giant Size X-Men #1』でデビューしました。この作品で、ウェインは国際的なX-メンのメンバーを登場させました。クックラムは、以前に『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』で使用しようとしていたキャラクターのアイデアを基にストームを創作しました。当初はブラックキャットという名前で、ネコのような外見でしたが、他の類似キャラクターの登場を受け、現在のストームのデザインに変更されました。

クリス・クレアモントは、ウェインの後を継いで『Uncanny X-Men』のライターとなり、ストームのバックストーリーを深く掘り下げました。彼女の母親がケニアの部族の王女であり、祖先が魔術の才能を持つアフリカ人であることを明らかにしました。また、ストームが幼い頃に両親を亡くし、盗賊として生きていた過去も描かれました。

パンク・リバイバル（1980年代）

クレアモントは、ストームを独立した強いキャラクターとして描きました。彼女は西洋文化に馴染むのに苦労しながらも、X-メンのリーダーとしての地位を確立しました。また、最年少メンバーであるキティ・プライドとの間に、親と娘のような関係を築きました。

1980年代には、ストームの外見に大きな変更が加えられ、黒革の衣装とモヒカンヘアスタイルになりました。これは、彼女の人生観がブルードとの戦いを通じて暗くなったことを反映しています。また、ミュータント能力を中和する銃によって能力を失い、フォージとのロマンスを経て、再びリーダーの座を取り戻すという展開もありました。

キャラクターの成長（1990年代）

1991年、X-メンは再始動し、ストームはゴールドチームのリーダーとなりました。スコット・ロブデルは、ストームとフォージの関係を続けさせ、最終的にフォージはストームにプロポーズしましたが、誤解からプロポーズを撤回しました。1995年、ロブデルは再びX-メンとモーロックスを戦わせるエピソードを書き、ストームは敵の心臓に致命傷を負わせて戦いを終わらせました。

同時代のストーム（2000年代）

2001年、クリス・クレアモントは『エクストリームX-メン』でストームを中心的なキャラクターとして書き続けました。このシリーズでは、ストームはESXのリーダーとなり、銀河系宇宙間の将軍カーンに誘拐されたり、X-メンの若年メンバーであるスリップストリームと短い間浮気をしたりしました。2005年の『ハウス・オブ・M』事件では、ストームは能力を失わなかった198人のうちの一人となりました。

2006年、マーベル・コミックはストームがブラックパンサーと結婚すると発表しました。この結婚は、二人の最も重要なアフリカ系黒人マーベル・コミックヒーロー同士の結婚として、大きな話題となりました。2007年、ストームとブラックパンサーは一時的にファンタスティック・フォーのメンバーとなり、「ワールド・ウォー・ハルク」事件では、ハルクのワーバンドによって倒されてしまいます。

歴史的意義

ストームは、大手コミックブック出版社において、主要な役割を果たした最初期の黒人女性キャラクターの一人です。彼女の成功は、後の黒人スーパーヒーローに大きな影響を与えました。マーベル・コミックのチーフエディターはストームを「史上最も成功した女性キャラクターで、確実にこれまでで最も偉大なアフリカ系キャラクターのひとり」と呼んでいます。

バイオグラフィー

ストームのバイオグラフィーは、クリス・クレアモントによって作られ、彼女の両親がエジプトで亡くなったこと、盗賊として生きていた過去、そしてプロフェッサーXとの出会いが描かれています。彼女はX-メンのリーダーとなり、フォージとのロマンスを経て、ブラックパンサーと結婚し、ワカンダ王国の妃となりました。

論争

ストームの描写は、ポップカルチャーにおける黒人女性のステレオタイプを反映しているという批判があります。また、アフリカ系の母親から生まれているにもかかわらず、青い目と真っ直ぐな髪を持つことについても議論があります。

能力とパワー

ストームは、天候を操るミュータント能力を持っています。彼女は、気温の変化、風の操作、雷の発生など、あらゆる形態の天候をコントロールすることができます。また、宇宙嵐や太陽風、海流、電磁放射を操る能力も持っています。ストームの能力は、彼女の意志力と肉体の力によって制限されています。

魔術の潜在能力

ストームの血縁には、魔術や呪術の使い手が存在しました。彼女の祖先の多くは、女魔術師や女神官でした。しかし、ストーム自身は、これまでこの潜在能力を使用したことはありません。

格闘と窃盗

ストームは、腕利きの盗賊であり、近接戦闘の達人でもあります。彼女はアラビア語やスワヒリ語を流暢に話すことができ、アフリカ系の訛りが顕著な特徴として現れています。

他のバージョン

ストームは、マーベル・コミックの作品世界だけでなく、他の作品世界でも描かれています。

他メディア

ストームは、映画、テレビ、ビデオゲームなど、様々なメディアに登場しています。映画『X-MEN』シリーズでは、ハル・ベリーがストームを演じています。

担当声優

ストームは、アニメやゲームで様々な声優が担当しています。

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