スヌーカー

スヌーカーとは

スヌーカー（英語: snooker）は、ビリヤードの一形式であり、他のキュースポーツに比べて特有のテーブルやルールを持っています。この競技は主にイギリス連邦の国々で人気があり、特にイギリスではテレビ中継が盛んに行われています。また、近年ではアジア地域でも特にタイや中国を中心に人気が拡大しています。

スヌーカーの歴史

スヌーカーは19世紀後半、インドに派遣されていたイギリスの軍人たちによって誕生しました。従来のビリヤードは1対1の対戦形式であり、より多くの人々で楽しむために、まず最初に「プール」という新たなスタイルが登場しました。その後、赤球をポケットに入れた後、特定の色のボールを狙うゲームが考案され、これがスヌーカーの原型となりました。特に1875年にネビル・フランシス・フィッツジェラルド・チェンバレン卿が考案したゲームが一般的に認識されています。この競技名の「スヌーカー」は、英軍内で入隊1年目の士官候補生を指す俗語に由来します。

1885年には、ビリヤードの英国チャンピオンであるジョン・ロバーツがスヌーカーを知り、帰国後にその魅力をイギリス全土に広めました。

スヌーカーの用具

キュー

スヌーカーで使用されるキューは、ポケット用やキャロム用に比べて先端部分が細めで、精度の高いショットを実現します。また、スヌーカーテーブルが大きいため、延長パーツであるエクステンションが装着可能です。

テーブル

スヌーカーテーブルは他のポケット競技に比べて大きく、ポケットのサイズは小さく設計されています。ポケットの角は丸みを帯びていて、テーブル全体には特殊な布が張られているため、ボールは自然なカーブを描いて転がります。このため、ポケットにボールを入れるのは非常に難しいのが特徴です。

ボール

競技には、15個の赤球、6色のカラーボール（黄・緑・茶・青・桃・黒）、1個の手球（白）を用います。スヌーカーでは、これらのボールのサイズは他のビリヤード競技よりも小さく設定されています。

レスト

手球が手を使ってブリッジを組めない位置にあるとき、特別な器具であるレストが使用されます。スヌーカーでは、様々な形状のレストが用意されています。

ルール

スヌーカーの基本ルールは、15個の赤球とカラーボールを交互にポケットに落とすことです。カラーボールはポットした後、再び元の位置に戻されますが、赤球は一度落ちるとフレームが終了するまで戻されることはありません。各球の得点は赤球が1点、黄色が2点、緑が3点、茶色が4点、青が5点、桃が6点、黒が7点です。

球をポットできなかった場合は交代になりますが、自分の狙った球が手球に当たらない場合、「ファウル」となり、最低4点が相手に与えられます。さらに、審判が最善の努力がなかったと判断した場合は「ファウルアンドミス」が宣言され、特別なルールが適用されることもあります。

赤球をすべてポットした後には、カラーボールを得点が少ない順にポットすることでフレームが終了します。この一連の流れを適切に行うことがスヌーカーの魅力であり、戦略性のあるプレイが求められる競技です。

勝敗の決定

試合の勝者は、最も多くのフレームを取得した選手によって決まります。逆転の可能性がないと判断した場合には、プレイヤーが降参することも可能です。

プロプレイヤーと賞金

イギリスでは多くのプロスヌーカープレイヤーが活躍しており、世界スヌーカー選手権の優勝賞金は約6300万円という高額です。プロ選手は高い収入を得る一方で、スヌーカーの人気の高さがその背後にあります。特にBBCやSky Sportsなどによる試合の放送は、視聴者に親しまれています。

日本におけるスヌーカー

日本ではスヌーカーの普及が遅れており、スヌーカー台も少数のみが設置されています。しかし、2000年代以降、いくつかの大会や定例トーナメントの開催が進み、徐々に関心も高まってきました。競技には、スヌーカーの独自の魅力があり、今後の発展が期待されます。

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