スヌーピーのグレート・レース

スヌーピーのグレート・レース：USJの人気を博した屋内型ローラーコースター

「スヌーピーのグレート・レース」は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）のユニバーサル・ワンダーランドに存在した、『ピーナッツ』をテーマにした屋内型ローラーコースタータイプのアトラクションです。2001年のUSJ開園当初から多くの来場者に親しまれていましたが、惜しまれつつクローズしました。

アトラクションの概要

「スヌーピーのグレート・レース」は、「スヌーピー・スタジオ」エリアの「スヌーピー・サウンド・ステージ・アドベンチャー」内にありました。ライドに乗って、スヌーピーが映画監督を務める映画のエキストラとして映画に出演するという設定で、子供から大人まで楽しめるアトラクションでした。

新型コロナウイルス感染症の影響によるパーク休業後、2021年3月に予告なくクローズとなりました。

ストーリー

アトラクションの舞台は、スヌーピーが映画監督を務める「スヌーピー・スタジオ」。ゲストはライドに乗り込み、映画のエキストラとして様々なシーンに参加します。スヌーピーやチャーリー・ブラウンといったおなじみのキャラクターたちと一緒に、映画撮影の現場を駆け巡る、わくわくするような体験ができました。

制作秘話

本アトラクションの設計・施工は、泉陽機工が担当しました。1998年1月にUSI（ユニバーサル・スタジオ・インク）との契約が交わされた時点で、平面レイアウトや高さは既に決定しており、限られた空間でのコース設計には多くの工夫が求められました。

困難を極めた設計

USIからは、安全性に関して非常に厳しい要求がありました。多数のセンサーを取り付け、いつでも非常停止が可能な制御システムを構築する必要がありました。

設計にあたっては、USIと電子メールでやり取りを行いましたが、言語や設計思想の違いから、なかなか進捗しませんでした。そこで、直接交渉のため渡米し、以降はスムーズに進み、1999年7月に全設計が完了しました。

難航した設置作業と厳格な安全審査

設置作業も困難を極めました。通常は2～3週間で済む作業でしたが、USJでは建物の装飾を並行して進める分割作業であったため、2000年3月から7月までの約5ヶ月を要しました。

安全審査も非常に厳格でした。砂袋を載せたウェイトテストや、通常の日本国内遊具での試運転を大幅に超える1,000回連続の運転試験（「1000回テスト」）が実施されました。

プレッシャーの中で行われた徹夜テスト

試運転中には、「プレジデントレビュー（会長の試乗）が明後日に予定されているため、それまでに準備を整えてほしい」という要望がありました。当時のチーフであった北野巧氏は一度は断りましたが、担当者の落胆した様子を見て、関係者と相談し、徹夜でテストを行う決断をしました。24時間にわたる連続テストを行い、最終的に期限に間に合わせることに成功しました。

「スヌーピーのグレート・レース」は、多くの人々に愛されたアトラクションでしたが、2021年に惜しまれつつクローズしました。しかし、その思い出は、USJを訪れた人々の心の中に生き続けています。

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