スネッフの戦い

スネッフの戦い：1674年、仏蘭戦争の激戦

スネッフの戦いは、1674年8月11日に現在のベルギー、エノー州スネッフで繰り広げられた、仏蘭戦争における重要な戦闘の一つです。オランダ総督ウィレム3世率いるオランダ・神聖ローマ帝国・スペイン同盟軍と、コンデ公ルイ2世率いるフランス軍が激突しました。

戦いの背景

ウィレム3世は、シャルルロワに陣取るコンデ公のフランス軍に対し、当初は南下してフランス本土への侵攻を計画していました。しかし、先鋒を務める神聖ローマ帝国軍の指揮官、ジャン＝ルイ・ラデュト・ド・スーシュが本隊から離脱。さらに、スペイン軍もブリュッセルへ撤退したため、同盟軍の戦力は低下しました。

コンデ公はこの隙を見逃さず、シャルルロワから出撃。スネッフにいた同盟軍の最後尾部隊を攻撃しました。

戦闘の経過

午前10時、コンデ公率いるフランス軍はスネッフにいた同盟軍の最後尾を急襲。急報を受けたウィレム3世は増援を送りますが、スネッフの部隊は支えきれず撤退を余儀なくされます。コンデ公は勢いに乗り、南の高台に陣取るオランダ軍を撃破すべく進撃しますが、そこにはスーシュ率いる帝国軍が布陣していました。ウィレム3世は東側でフランス軍を待ち構え、両軍は激しい攻防を繰り広げました。

コンデ公は果敢に突撃を敢行するも、同盟軍の堅固な守備に阻まれ、両軍共に大きな損害を出すことになります。戦闘は深夜まで続き、最終的に両軍は撤退しました。

戦いの結果とその後

この戦いで、フランス軍は死傷者10,000人、同盟軍は死傷者15,000人、捕虜5,000人という甚大な損害を出しました。両軍共に勝利を主張しましたが、損害の大きさから、一般的にはフランス軍の勝利とみなされています。

戦後、ウィレム3世はアウデナールデを包囲しようとしましたが、コンデ公の牽制により中止。代わりにフラーヴェを攻略し、オランダからフランス軍を一掃しました。1674年のネーデルラント戦役はこれで終結しましたが、翌1675年にはコンデ公がサンブル川・マース川流域の確保に動き出すことになります。

スネッフの戦いは、仏蘭戦争における激戦の一つとして、その後の戦局に大きな影響を与えました。

参考文献

* 友清理士『イギリス革命史（上）』研究社、2004年。

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