スノードロップ (テレビドラマ)

スノードロップ：愛と政治の狭間で揺れる、禁断のラブストーリー

1987年、韓国民主化運動が沸騰する時代。ソウルにある女子大学に潜入した北朝鮮のスパイ、イム・スホと、その大学に通う学生、ウン・ヨンロが出会うことから物語は始まります。異なるイデオロギーと立場、そして危険な状況の中、二人は惹かれあい、禁断の恋に落ちていきます。

本作は、韓国で2021年12月18日から2022年1月30日までJTBCで放送され、その後Disney+でも配信された韓国ドラマです。主演はチョン・ヘインとBLACKPINKのジス。豪華キャストと切ないラブストーリーで注目を集めましたが、放送開始前から激しい批判に晒されることになります。

批判と賛否両論

『スノードロップ』は、民主化運動を歪曲し、国家安全企画部（現在の国家情報院）やスパイを美化しているとして、放送開始前から大きな批判を浴びました。民主化運動の弾圧や犠牲者を侮辱しているという声も多く、スポンサーの降板や、大統領府への打ち切り要請請願（36万人以上の署名）という事態にまで発展しました。

制作陣は、誤解を生む部分があるものの、全体としては民主化運動を歪曲するものではないと反論。放送後も、運動を批判的に描く描写も含まれていると主張しました。しかし、一部の評論家からは、人気ドラマ『愛の不時着』に倣った南北ラブストーリーの設定に、歴史的考証のミスがあったという批判も上がっています。

キャストとキャラクター

ドラマを彩る主要人物たちは、それぞれ複雑な背景と魅力を持っています。

イム・スホ（チョン・ヘイン）： 北朝鮮の工作員。危険な任務を負いながらも、ヨンロへの想いを募らせていきます。
ウン・ヨンロ（ジス）： ホス女子大学英語学科の学生。スホと出会い、運命的な恋に落ちますが、時代の波に翻弄されます。
カン・チョンヤ（ユ・インナ）： 大学病院の外科医。
イ・ガンム（チャン・スンジョ）： 国家安全企画部1チーム長。
ピ・スンヒ（ユン・セア）： ホス女子大学寮の寮長。
ケ・ブノク（キム・ヘユン）： ホス女子大学寮の電話交換手。
* チャン・ハンナ（チョン・ユジン）： 国家安全企画部1チームの要員。

それぞれのキャラクターが織りなす人間ドラマも見どころの一つです。

その他の出来事

ヨ・ジョンミン役で出演していたキム・ミスさんは、放送期間中の2022年1月5日に亡くなり、本作が遺作となりました。また、JTBCは当初2月5日と発表していた放送終了日を、6日繰り上げて1月30日に変更しました。

まとめ

『スノードロップ』は、切ないラブストーリーと歴史的背景が複雑に絡み合い、大きな波紋を呼んだ韓国ドラマです。歴史的解釈や表現に対する賛否両論はありますが、時代を背景にした人間ドラマとして、多くの視聴者を魅了したことは間違いありません。 視聴者は、それぞれの解釈を持って、この作品と向き合うことになるでしょう。

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