スバル・EZ型エンジン

スバル・EZ型エンジンについて

スバル・EZ型エンジンは、スバル（旧・富士重工業）が開発した水平対向6気筒ガソリンエンジンのシリーズです。このエンジンは、3代目レガシィに初めて搭載され、以後様々なスバルのモデルに使用されています。

基本情報

• - シリンダ配列: 水平対向6気筒
• - サイクル: 4ストローク
• - 燃料: ガソリン
• - 動弁系: DOHC 24バルブの直打式
• - 燃料供給: EGI
• - ボアピッチ: 98.4mm
• - デッキハイト: 202mm
• - クランクジャーナル径: 64mm
• - クランクベアリング数: 7（スラストベアリングは#7）

歴史

このエンジンは、2000年に生産終了したEG33の後継として登場しました。初めて搭載されたのはレガシィランカスター6で、EZ30として知られています。EZ30は、EG33をベースにした完全新設計のエンジンであり、大幅に改良されています。このエンジンは、ボアピッチが短く、前後方向にも短く設計されています。また、バルブ挟み角を大きくすることで、シリンダーヘッドの高さを抑え、ピストンストロークが80mmとなり、ショートストロークエンジンの問題を回避しました。スバルとして初めてチェーン式のカムシャフト駆動方式が採用され、最大出力は220PS、最大トルクは29.5kg·mを達成しました。

その後、2003年に登場したEZ30-Rは、吸気AVCSを導入し、吸気側にダイレクト可変バルブリフト機構を採用しました。この改良により、最大出力は250PS、最大トルクは31.0kg·mに向上しました。2004年には、スバルの6気筒エンジンとして初めて6MTが組み合わされた3.0R spec Bが登場しました。

2005年にアメリカで販売されたB9トライベッカにもEZ30が搭載されましたが、重量が多く、燃費性能に難がありました。その後、2007年にトライベッカのマイナーチェンジと共に登場したEZ36は、ボア・ストロークを拡大し、3,629ccに排気量を増加させました。圧縮比は10.5に設定され、使用燃料はレギュラーガソリンになりました。最大出力は256hp、最大トルクは35.7kg·mを発揮し、特に燃費性能が改善されました。

さらに、2009年には5代目レガシィシリーズにEZ36が搭載され、日本国内において初めての導入が行われました。最大出力は260PSであり、トルクは34.2kg·mに減少しました。これにより、レガシィシリーズはこのエンジンを搭載した最後のモデルとなりました。

最終的には、2014年に6代目レガシィシリーズでEZ36が海外仕様のみとなり、国内市場からは消えました。2019年には7代目レガシィでEZ36がFA24に置き換えられ、スバルからは水平対向6気筒エンジンが消滅しました。

バリエーション

• - EZ30: 3代目レガシィに初搭載。

- 排気量: 2999cc
- 内径×行程: 89.2mm×80mm
- 圧縮比: 10.7
- 出力: 220PS
- トルク: 29.5kg·m
- 燃料: 無鉛プレミアムガソリン

• - EZ30（AVCS・ダイレクト可変バルブリフト機構付き）: 4代目レガシィに搭載。

- 排気量: 2999cc
- 圧縮比: 10.7
- 出力: 250PS
- トルク: 31.0kg·m
- 燃料: 無鉛プレミアムガソリン

• - EZ36: トライベッカのマイナーチェンジで登場。

- 排気量: 3629cc
- 内径×行程: 92mm×91mm
- 圧縮比: 10.5
- 出力: 256hp
- トルク: 35.7kg·m
- 燃料: 無鉛レギュラーガソリン

このように、EZ型エンジンはスバルの技術革新を象徴するものであり、多くの関心を集めています。

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