スパイダーマン: ワン・モア・デイ

ワン・モア・デイについて

『ワン・モア・デイ』は、2007年に発表されたマーベル・コミックのクロスオーバーストーリーであり、スパイダーマンの物語の中でも特に衝撃的な展開が繰り広げられています。このストーリーは『アメイジング・スパイダーマン』第544号からスタートし、全4話にわたって描かれます。脚本はJ・マイケル・ストラジンスキーとジョー・カザーダが手掛け、作画もカザーダが担当しました。本作は、大規模なクロスオーバーイベント「シビル・ウォー」の後に位置づけられています。

物語の背景

物語の冒頭では、ピーター・パーカー（スパイダーマン）がヒーロー登録法に賛成する形で自らの正体を公開した後、反対に鞍替えしたことで政府から追われる立場に立たされます。これにより、彼の周囲や家族にまで危険が及び、特に叔母メイは狙撃されて重体に陥ります。ピーターは、過去に一度捨てたブラックコスチュームを再び纏い、キングピンに立ち向かいますが、悪に手を染めることはありません。

メイおばさんの危機

巡り巡って、ピーターはトニー・スタークにメイおばさんの治療の支援を求めますが、拒絶されてしまいます。そこで、彼は魔術師ドクター・ストレンジを訪ねることとなります。しかし、ドクター・ストレンジも力ではメイを救えないと告げます。彼は、複数の平行宇宙のヒーローたちにも救いを求めますが、いずれも助けられず、ピーターは絶望的な状況に置かれるのです。

メフィストとの契約

そんな中、ピーターは赤毛の少女に出会い、彼女を追いかける過程で、異なる世界の自分に出会います。実は、その赤毛の少女の正体は悪魔メフィストであり、彼女はメイの命を救うことができると告げます。ただし、そのためには「ピーターとメリー・ジェーンの結婚を無かったことにする」という代償を要求されます。ピーターとメリー・ジェーンは悩み抜いた結果、結婚を取り消すことを決断し、さらに「彼の正体を誰も覚えていないようにする」という追加条件も承諾します。

記憶の改ざん

メフィストはその契約を果たし、歴史が書き換えられます。ピーターとメリー・ジェーンの結婚は消滅し、スパイダーマンの正体は世間から忘れられます。物語の終わりには、ピーターがメイおばさんと再び普通の生活を営む姿が描かれ、彼は新たな日を迎えることになります。

評価と影響

『ワン・モア・デイ』は、その展開により一部のファンや批評家から激しい非難を受けました。特に、元スパイダーマンの創造者スタン・リーは、キャラクターの設定変更に関しては賛辞を送りつつ、同時に自身の過去の決断との比較を行いました。これにより、このストーリーの影響は今なお語り継がれるテーマとなっています。

コレクションとリリース

また、後に『ワン・モア・デイ』のエピソードをまとめたトレード・ペーパーバックも発売されており、スタン・リーの後記を含む様々な資料も収められています。日本語版も出版され、多くの読者に親しまれています。このように、『ワン・モア・デイ』はスパイダーマンの物語の中で特に重要且つ議論を呼ぶ作品として位置づけられています。

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