スパルヴィエロ (軽偵察艦)

スパルヴィエロについて

スパルヴィエロ（Sparviero）は、イタリア海軍のアクイラ級軽偵察艦の2番艦として知られています。この艦は、元々ルーマニア海軍の駆逐艦「ヴィジェリェ」としてナポリで建造されていましたが、第一次世界大戦への参戦に伴い、イタリアがこの艦艇を含む同級艦3隻を取得しました。最終的には軽偵察艦として竣工し、戦後はルーマニアに譲渡され「マラシュティ」と命名されました。さらに、第二次世界大戦中はルーマニア海軍によって運用され続けました。

艦歴の詳細

スパルヴィエロの建造は、1913年にナポリのパティソン造船所に発注されたことから始まり、1914年の1月29日に起工されました。第一次世界大戦が勃発する直前の1915年6月5日、建造が約50％進んだ段階でイタリア海軍に接収されました。接収された後、1917年3月25日に進水し、そして同年の7月15日に全ての配備が完了し正式に就役しました。この艦は主にアドリア海での作戦に使用されました。

戦後、スパルヴィエロは1919年11月17日にルーマニアによって購入され、1920年7月1日にマラシュティという名に改名されてルーマニア海軍に所属しました。さらに、1925年からは改装工事が行われ、武装の変更が行われました。元々搭載していた152mm砲が、120mm砲5門に更新され、76mm砲の搭載数が減じられるなど、艦の装備は近代化されました。

第二次世界大戦での運用

第二次世界大戦中、スパルヴィエロはさらなる改修を受け、主砲は1門削減され、対空砲が追加される形で装備の充実が図られました。この間に、戦闘機や艦船との交戦で功績を挙げることもありました。特に、敵のレニングラード級駆逐艦に損傷を与え、航空機2機を破壊したという記録があります。

1944年8月、スパルヴィエロはソビエト連邦海軍に鹵獲され、「ローフキィ」と名付けられました。しかし、1945年10月には再びルーマニアに返還され、艦名は「D1」と改められました。さらに1952年には「D11」と改名され、1961年4月まで運用が続けられました。最終的には1963年に除籍され、翌年には解体されることとなります。

艦の特性

スパルヴィエロは、排水量が満載時で1,750トン、常備時で1,432トンあり、全長94.2メートル、幅9.5メートル、吃水3.5メートルというサイズを持っています。乗員は最大139名で、出力は45,000馬力を誇り、速力は34ノットに達しました。また、航続距離は15ノットで1,700海里に及びます。

まとめ

このように、スパルヴィエロは1910年代から1960年代初頭までに渡る長い艦歴を持ち、イタリア海軍及びルーマニア海軍の両方で重要な役割を果たしました。艦の運用とその歴史は、第一次及び第二次世界大戦における海軍力を物語る貴重な証言と言えるでしょう。

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