スピアー (プロレス技)

スピアー（Spear）: プロレス技の詳細解説

プロレスにおける「スピアー」（Spear）は、力強い体当たり技であり、特に対戦相手を押し倒すために使用されます。この技は、しばしば「スピアー・タックル」とも称され、助走をつけて走り込み、相手の腹部に対して低い姿勢で肩や頭をぶつけるスタイルが特徴です。まるでラグビーやアメリカンフットボールに見られるタックルのような方法で、相手を捉え、つかみ上げて倒します。

スピアーの起源はラグビーにあり、ラグビーのタックルの一形態であるスピアー・タックルから派生しています。技の実行時には、相手に対して低い姿勢で跳びつき、同時に両腕でしっかりと抱えることが求められます。このようにして、スピアーは相手を大きく持ち上げてから地面に叩きつける動作が行われます。

1990年代に入ってから、この技の知名度が高まり始めました。特に、アメリカンフットボール選手からプロレスラーに転身したゴールドバーグ（Bill Goldberg）がこの技を使ったことが大きな影響を与えました。彼はスピアーを「頭を武器とする危険なタックル」と定義しており、その強力さを武器として活用しました。彼の登場以降、スピアーは多くのプロレスラーによって採用される技術となり、プロレスリングの試合において頻繁に見ることができるようになりました。

主な使用者

スピアーを使用した著名なプロレスラーには、以下のような選手がいます：

• - ゴールドバーグ
• - ライノ（ゴアの名称で使用）
• - ビッグ・ショー
• - ダレン・ドロズドフ
• - バティスタ
• - ボビー・ラシュリー
• - ロマン・レインズ
• - エッジ
• - シャーロット など、数多くのレスラーがこの技を効果的に使用しています。

また、スピアーは漠然とした名称だけではなく、選手に応じて異なる名前で呼ばれることもあります。たとえば、秀吉は「槍撃」として、大家健は「炎のスピアー」、井上亘は「スピアー・オブ・ジャスティス」といった具合に、技のバリエーションを持って戦いに挑んでいます。

派生技

スピアーから派生した技も存在します。その一例が「ランサルセ」で、これは相手をコーナーでキャッチし、スパイン・バスターのように叩きつける技です。特に軽量の対戦者に対して強力なインパクトを持ち、多くの失神者を生むこともある危険な技として知られています。

もう一つの派生技として「スリングショット・スピアー」があります。この技では、エプロンからセカンドロープをつかんで、走り込む相手に対してタイミングよくスピアーを放ちます。

類似技

スピアーに似た技もレスリングの歴史には存在します。たとえば、マーティン・ファーマー・バーンズが1912年に紹介したテイクダウン技や、レスリングの中で脚を使わずに頭を使って倒す「バックスホールド」があります。また、スピアーの形をした「スピアー・ダブル・レッグ」も存在し、これはダブルレッグダイブの一形態として用いられます。

スピアーは、プロレスの女王とも言える技であり、その力強さとダイナミズムは観客に強いインパクトを与え続けています。この技を駆使する選手が見せる迫力ある試合は、多くのファンにとって大きな魅力の一つとなっています。

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