スピードコア

スピードコア (Speedcore) とは

スピードコアは、ハードコアテクノの一形態であり、特にその高速度のビートと攻撃的な音楽スタイルで知られています。このジャンルは、通常のハードコアテクノよりも遥かに速いBPM（ビート・パー・ミニット）を持ち、300以上とされることが一般的です。スピードコアは、リスナーを圧倒するような音楽体験を提供します。具体的には、200～1000のBPM帯に分類され、その細かな定義によってさらなるサブジャンルが存在します。たとえば、特定のBPM幅を持つテラーコア (Terrorcore) やスプリッターコア (Splittercore)、エクストラトーン (Extratone) などです。

特徴

スピードコアの主な特徴の一つは、その驚くべき速さです。テラーコアは通常200～300BPM、スプリッターコアは700～1000BPM、エクストラトーンは1000BPM以上となっています。また、スピードコアでは洗練された歪んだバスドラム、通称「ガバキック」が使用されます。これは通常のガバキックを使用すると、音の響きが混じり合って不明瞭に聞こえてしまうため、明確なリズムを保つために特別に設計されたキックが多く使われます。

更に、スピードコアでは8分音符や16分音符を利用してキックのパターンを細かく展開し、さまざまなリズムが生まれます。外見上は非常に攻撃的に聞こえる曲調が多く、叫び声や強烈なノイズが特徴的です。しかし近年では、Jコアなど日本の音楽要素を取り入れたハッピースピードコアや、洋楽のサンプリングとブレイクコアを組み合わせたダンスコア、マッシュコアといった新しいスタイルも誕生し、それによりスピードコアは単に「攻撃的」という一面だけでは説明できなくなっています。

歴史

スピードコアの発祥は1993年にニューヨークで結成されたバンド、Disciples of Annihilation (D.O.A.) に遡ります。彼らは、インダストリアル・ストレングス・レコードからリリースされたシングルを通じて、スピードコアの存在を広めました。1997年にはデビューアルバム「New York City Speedcore」をリリースし、スピードコアというジャンルに名を馳せました。しかし、メンバーの死によりD.O.A.は解散しましたが、その音楽スタイルは今なお多くのアーティストに影響を与えています。

主要アーティスト

日本国内のスピードコアシーンを牽引するアーティストには、m1dy、Nawoto Suzuki、t+pazolite、AKIRADEATHなどがいます。一方で、海外のアーティストとしては、オリバー・チェスラーやNoisekickが存在し、彼らはスピードコアを国際的に広める役割を果たしています。

関連するジャンル

スピードコアは、ガバ、テラーコア、スプリッターコア、エクストラトーン、ブレイクコア、フレンチコア、デジタルハードコア、さらにはハッピースピードコアといった多岐にわたる関連ジャンルを持っています。これらのジャンルは、お互いに影響を与え合いながら進化しており、スピードコアもその例外ではありません。そのため、スピードコアの世界は、今後も新たなスタイルを生み出し続けることでしょう。

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