スプリット盤

スプリット盤とは、2組または3組のアーティスト（ソロ、グループを問わず）が、それぞれの音源を1枚の音楽ディスクに収録したものです。ディスクの形態によって、「スプリットシングル」、「スプリットアルバム」、あるいは「スプリットEP」などと呼び分けられます。参加アーティストが3組の場合は「スリーウェイスプリット」、4組の場合は「フォーウェイスプリット」と呼ばれることもあります。

オムニバスとの違い

スプリット盤と混同されやすいものにオムニバス盤がありますが、両者には明確な違いがあります。
アルバムの場合、オムニバス盤は通常、1組のアーティストにつき1曲のみを収録するのが基本です。一方、スプリット盤は、少数のアーティストやグループによる複数の楽曲を収録している点が異なります。つまり、スプリット盤は、より少ないアーティストに焦点を当て、それぞれのアーティストの楽曲を深く掘り下げて楽しむことができるという特徴があります。
シングルの場合は、オムニバスシングルという概念は存在せず、1組あたり1曲の構成でもスプリットシングルと呼びます。これは、シングル盤では、複数のアーティストの楽曲を収録する場合、必然的にスプリット盤の形態をとるためです。

スプリット盤の特徴

スプリット盤は、同じレーベルやレコード会社のアーティストを宣伝するために採用されるケースが多く見られます。この点において、スプリット盤はサンプラーに近い役割を果たすと言えるでしょう。例えば、古典的なアナログレコード時代には、A面に著名アーティストの楽曲群を収録し、B面にその他のアーティストの楽曲群（A面側のアーティストの関連楽曲を含む）を収録するという形態がよく見られました。これにより、リスナーは、お気に入りのアーティストの楽曲とともに、新たなアーティストを発見する機会を得ることができました。

日本では、シングル盤において、童謡やアニメの主題歌に使われることが多いという特徴があります。特にアニメ主題歌の場合、オープニングテーマとエンディングテーマを合わせて収録するケースが多く、同時に両A面シングルとなることも少なくありません。これは、アニメファンにとっては、一度に両方のテーマ曲を楽しめるという利点があります。また、童謡の有名な例としては「およげ！たいやきくん／いっぽんでもニンジン」が挙げられます。この例のように、異なるアーティストの楽曲を1枚に収録することで、さまざまな音楽体験を一度に楽しむことができる点がスプリット盤の魅力と言えるでしょう。

スプリット盤は、アーティストの宣伝、新しい音楽の発見、そして複数のアーティストの楽曲を一度に楽しむことができるという、様々な魅力を持った音楽形態です。

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