スプリー・キラー

スプリー・キラーとは

スプリー・キラー（英名：Spree killer）は、短期間のうちに複数の場所で殺人を行う者を指します。特に、アメリカ合衆国の司法統計局では、二つ以上の場所で冷却期間をほとんど置かずに殺人が行われることを固有の特徴として定義しています。この一連の行為は、犯人が捕まったり射殺されたりした後に、調査が進む中で、その人物が以前に行った犯罪が明らかになるケースが一般的です。この場合、これらはスプリー・キラーとして一まとめにして統計的に扱われます。

スプリー・キラー vs 大量殺人者と連続殺人者

スプリー・キラーは、大量殺人者や連続殺人者とは異なる特性を持っています。大量殺人者は、一箇所で多くの人を同時に殺害することを特徴とし、連続殺人者は、個々の犯罪の間に冷却期間が存在し、被害者や手法に共通するパターンが見られることが一般的です。これに対し、スプリー・キラーは短期間のうちに異なる地点で行動し、複数の殺人事件を展開します。

このため、スプリー・キラーの犯罪は、連続殺人と一見似ている部分もありますが、両者の間には明確な違いがあります。連続殺人には、事件の間に数か月または数年という長い時間差が存在する場合があるため、期間の短いスプリー・キラーとは性質が異なります。

スプリー・キラーの混同

スプリー・キラーは、政治的な意図を持ったテロ事件や銃乱射事件と混同されることがありますが、これらも異なる概念です。銃の乱射がスプリー殺人の一環として起こることはあるものの、スプリー・キラーはその行動の動機や形態において明確に違う点があります。日本の科学警察研究所では、通り魔事件を「単発犯」、「スプリー犯」、「連続犯」といった異なるカテゴリーで分類しています。

さらに富山県警察本部の研究所では、冷却期間がなく短期間に複数の放火を行うことを「スプリー放火」と呼ぶなど、犯罪の形態に対する分類が進められています。

現在の傾向

最近では、このような犯罪をめぐる分類が混乱を招いているとして、研究者の間では「シリアルキラー」という用語に統一されつつある他、FBIなどの組織はスプリー・キラーという言葉を使用しなくなる傾向も見られます。

主なスプリー・キラー事件

日本国内外では、さまざまなスプリー・キラー事件が発生しています。その中には、津山事件やカンポ・エリアス・デルガード事件、コロンバイン高校銃乱射事件など、社会に大きな衝撃を与えたものもあります。これらの事件を通じて、スプリー・キラーの心理や社会的背景に関する理解が深まる一方で、その予防や対策についても多くの課題が提起されています。

このようにスプリー・キラーという概念は、犯罪行為が持つ多面的な側面を理解するためにも重要です。

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