スペインの国旗

スペインの国旗 (la Rojigualda)

スペインを象徴する国旗は、赤と黄の三色で構成され、それぞれの色が誇り高い意味合いを持っています。一般的には「血と金の旗」と呼ばれ、赤、黄色、赤の横縞デザインが特徴的です。旗の中央には国章が配され、民間の旗ではこの国章がないものが使用されることが多いです。特に、この国旗の黄色の部分は赤の部分の幅の2倍となっており、比率で表すと1:2:1となります。

国旗の起源は18世紀に遡り、スペイン王カルロス3世が海軍旗を新たにデザインするために、アントニオ・ヴァルデス・イ・バザンに依頼し12の提案からこのデザインが選ばれました。1978年に制定された憲法には、国旗の具体的なデザインや色と比率が詳細に記載されています。特に、国旗に用いられている黄色は、伝統的にホザキモクセイソウ（またはキバナモクセイソウ）由来のものであり、ウェルド・イエローと呼ばれています。

国章にはヘラクレスの柱に巻き付いた帯があり、そこにはスペインの標語である「PLVS VLTRA（より彼方へ）」と記されています。この言葉は、新大陸の発見前には「Non Plus Ultra（ここは世界の果てである）」と書かれていたこともあります。

歴史的背景

18世紀までスペインの軍隊はブルゴーニュ十字を旗とし、現在のような国旗の明確な概念は存在しませんでした。そのため、時代背景としては主に紋章が国の象徴として扱われていました。しかし、カルロス3世の指導の下、白地の多いヨーロッパ諸国の旗と混同される事態を解消すべく、新たに海軍用の旗のデザインが求められました。そのため、アントニオ・ヴァルデス・イ・バザンは12のデザイン案を提出し、その中から現在の赤・黄・赤の国旗が選ばれたのです。このデザインは他国との視認性を高めるために選ばれたことが背景にあります。

その後のスペインの歴史において、第二共和国の国旗は赤、黄、紫の三色旗に変更されました。この変更は、スペインの全地域を表現する意味でレオン王国の紫色を取り入れたものでありました。スペイン内戦の結果、共和国は海外に逃れたが、この旗は反フランコ派団体らによっても利用されました。現在でも、左翼運動や労働組合などにおいてこの三色旗が用いられています。

関連項目

• - 国旗の一覧
• - スペインの国章
• - スペインの国歌

スペインの国旗はただの象徴に留まらず、時代の変遷と共に様々な意味を持ち、現在のスペインにおいても重要な役割を果たしています。

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