スポーツマンズ・パーク

スポーツマンズ・パーク：セントルイスの野球史を彩ったスタジアム

スポーツマンズ・パークは、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスにかつて存在したスタジアムです。その歴史は3つの時代に分けられ、それぞれ異なる物語を紡いでいます。

初代：グランド・アベニュー・パークからスポーツマンズ・パークへ

1875年5月6日、セントルイスにグランド・アベニュー・パークという野球場が開場しました。ここは、ナショナル・アソシエーション・リーグに所属していたセントルイス・ブラウンストッキングスの本拠地となります。しかし、ナショナル・アソシエーションがその年限りで消滅すると、チームは翌1876年にナショナルリーグへ移籍。この時、球場名もスポーツマンズ・パークへと変更されました。その後、ブラウンストッキングスは1877年シーズン終了後に解散しますが、1882年にアメリカン・アソシエーション・リーグが発足すると、再び同じ名前のセントルイス・ブラウンストッキングス（現セントルイス・カージナルス）が誕生し、スポーツマンズ・パークを改修して本拠地として使用しました。1883年にはセントルイス・ブラウンズにチーム名を変更、1892年にはナショナルリーグへ移籍し、この年まで初代スポーツマンズ・パークを本拠地としました。

2代目：ロビソン・フィールド

1893年、セントルイス・ブラウンズは初代スポーツマンズ・パークの北東に建設された新たなスポーツマンズ・パークへ移転します。1899年にパーフェクトズ、1900年にカージナルスと球団名を変更した後、1911年にはオーナーのスタンリー・ロビソンの死去に伴い、球場名をロビソン・フィールドに改称しました。カージナル・フィールドとも呼ばれたこの球場は、1920年のシーズン途中までカージナルスの本拠地として使用されました。

3代目：ブッシュ・スタジアムへの変遷

20世紀初頭、アメリカンリーグが発足すると、ミルウォーキー・ブルワーズ（現ボルチモア・オリオールズ）がセントルイスへ移転し、セントルイス・ブラウンズと名乗りました。このチームは新たな球場を建設し、球場名をスポーツマンズ・パークとしました。1909年には鉄筋コンクリート製の球場が完成し、カージナルスもロビソン・フィールドから移転してきます。これにより、セントルイスをフランチャイズとするブラウンズとカージナルスの両球団が同じ球場を本拠地とする時代が始まりました。

その後、カージナルスはリーグ優勝9回、ワールドシリーズ制覇6回と強豪チームへと成長し、ブラウンズは1944年のワールドシリーズでカージナルスに敗れました。1952年シーズン終了後、球場の所有権はブラウンズからカージナルスへ移り、球場名もカージナルスのオーナーの名前にちなんでブッシュ・スタジアムへと変更されました。ブラウンズは1953年シーズン終了後、ボルチモアへ移転しました。

老朽化が進んだブッシュ・スタジアムは、1960年にNFLのカージナルスが移転してきたことで、野球とアメフトの兼用スタジアムとなり、負担が増しました。1966年、新たなブッシュ・スタジアムが完成し、両カージナルスが移転。スポーツマンズ・パークはその年のうちに解体され、その長い歴史に幕を閉じました。

スポーツマンズ・パークを彩った主な出来事

1902年4月23日：インディアンス戦で開場
1931年8月21日：ベーブ・ルースが史上初の通算600本塁打を達成
オールスターゲーム開催：1940年、1948年、1957年
ワールドシリーズ開催：1926年、1928年、1930年、1931年、1934年、1942年、1943年、1944年、1946年、1964年
* 1966年5月8日：ジャイアンツ戦で閉場

スポーツマンズ・パークは、セントルイスの野球史において重要な役割を果たしたスタジアムであり、数々の名場面と記憶を人々の心に刻み込みました。

もう一度検索