スポールブール

スポールブール（Sport-Boules）

スポールブールは、主にフランスやイタリアで盛んに行われる伝統的な球技で、金属製のボールを用いて得点を競う魅力的なスポーツです。正式名称はブール・リヨネーズ（Boule Lyonnaise）であり、フランス語では「スポール」はスポーツ、「ブール」はボールを意味します。

概要

スポールブールは、全長27.5メートルの専用コートで行われ、目標球であるビュットに自分のボールをいかに近づけられるかがポイントとなります。ゲームの基本ルールは、自分のボールを相手のボールよりも近くに置くこと、または相手のボールを弾いてビュットから遠ざけることです。似たようなスポーツにはペタンクがありますが、スポールブールはペタンクの原型ともされており、1907年にフランスで独自に発展しました。

1946年には国際スポールブール連盟（Fédération Internationale de Boules）が設立され、現在は67か国が加盟しています。日本も1983年から加盟しており、国内では日本ペタンク・ブール連盟がスポールブールの普及に努めています。この競技は、フランス政府によって2012年に無形文化遺産に指定されています。

歴史

ボールを目標に近づける競技の起源は非常に古く、約5000年前の古代エジプトやギリシャに遡ると言われています。古代ギリシャでは「スファエラ」と呼ばれる球技が行われており、ローマでも同様の絵画が残っています。中世では、フランスの国王がブール禁止令を出すほどの人気を誇っていました。近代に入ると、本格的なスポーツとしての側面が強まり、1850年には初のクラブ組織が設立され、1894年には競技大会が開催されました。

コートと競技規則

競技は、長さ27.5メートル、幅2.5メートルから4メートルのコートで行われます。コートの設計には、フットライン、ファーストライン、セカンドライン、サードライン、エンドライン、サイドラインなど、明確な区分があります。これらの線はボールがアウトになる基準や、投球の位置を示します。

用具

競技で使用される主な用具は、以下の通りです。

• - ボール（Boule）: 直径90～110mm、重さ900～1200g。
• - ビュット（But）: 直径35～37mm、重さ23～27g。
• - バゲット（Baguette）: 測定用の棒状の器具。
• - マット（Tapis）: 特定の競技で使用。

ゲーム形式

基本的なゲーム形式には、シングルス、ダブルス、プログレッシブなどがあり、選手たちはそれぞれ4球から3球のボールを投げて、得点を競います。進行方式は、コイン投げで先攻が決まり、ビュットを投げて開始します。選手たちは次々にボールを投げ合い、相手のボールよりも近くに位置させようとします。得点は相手のボールよりも近くに自分のボールがある数に応じてカウントされます。

ティール

ティールは、スポールブールの中でも特にダイナミックな要素を持ち、助走を付けてボールを投げ、ターゲットを弾き飛ばすプレーです。ノーバウンドでターゲットボールに当てたり、その手前に着地させることが求められ、高い戦略と技術が必要です。ティールに関連して、プレシジョンやプログレッシブの種目も整備され、競技の幅を広げています。

主要大会

世界選手権は男子・女子ともに定期的に開催され、日本代表も数多くの大会に出場しています。特に、モナコ皇太子杯やジュニア世界選手権が注目されており、国内でも日本スポールブール選手権が長年にわたって行われています。

このように、スポールブールは歴史ある球技であり、奥深い戦略と技術が求められるスポーツです。

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