スマトラ (軽巡洋艦)

軽巡洋艦スマトラ

スマトラはオランダ海軍に所属するジャワ級の軽巡洋艦で、その艦名はインドネシアのスマトラ島から取られています。この艦は1916年7月15日にアムステルダムの造船所で建造が始まりましたが、第一次世界大戦の影響で完成までに時間がかかりました。進水は1920年12月29日で、正式に竣工したのは1926年5月26日です。

艦歴の始まり

スマトラは1926年9月21日にオランダのアムステルダムを出港し、ヨーロッパからの航海を経てアメリカ西海岸のサンフランシスコに至ります。この航海中、艦内では16名の乗組員が脱走し、注目を集めました。その後、スマトラはホノルルを経て日本本土へ向かうことになります。

1927年1月、スマトラは日本訪問の計画を立てます。この時期、日本では大正天皇の大喪儀が行われており、各艦は日本各地に配置されていました。スマトラは2月3日に東京湾に到着し、横浜に停泊しました。特に2月7日から8日にかけて行われた大喪儀には、スマトラの艦長がオランダ大使館の代表として参列しました。

その後、スマトラは横須賀を訪れ、同港に停泊していた戦艦山城を見学し、神戸に向かいました。しかし、瀬戸内海通過時には水先案内人の指示を無視し、撮影を行った件で疑いを受けることになりました。

再訪日本とその後

1931年には未知の暗礁で座礁する事故も経験しましたが、1933年から1935年にかけて近代化改修が行われました。1936年にはシンガポールを訪れ、イギリスやアメリカの艦隊とともに艦隊演習を行うことになります。1938年にオランダに帰還した後、1939年には第二次世界大戦が勃発。オランダは中立を宣言しましたが、1940年にはドイツの侵攻を受けて不本意ながらイギリスへの逃避行を余儀なくされました。

スマトラはイギリスに到着後、1944年にはノルマンディー上陸作戦に際して防波堤として沈められる運命を辿ります。この時、他の艦船と共に防波堤となって多くの歴史的な出来事に関与し続けました。スマトラで使用されていた主砲は、後に新たな艦船に転用され、艦の歴史をさらに続けることとなります。

スマトラに関する文献

スマトラの詳細な艦歴や日本訪問に関しては、月間雑誌「丸」や「第二次世界大戦 世界の巡洋艦 完全ガイド」などの参考文献があります。これらの資料は艦船の運命や歴史的な背景を詳しく知る上で非常に有用です。スマトラはその独特な経歴を持つ艦艇として、海軍史において重要な位置を占めています。

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