スライドガラス

スライドガラスの概要

スライドガラスは、英語で"microscope slide"と称し、主に光学顕微鏡を用いて微細な試料を観察するためのガラス板です。これはスライドグラスとも呼ばれ、標準的なサイズは短辺約2.5cm、長辺約7.5cm、厚さ約1.2mmとなっています。このガラス板の上に試料を乗せ、必要に応じてカバーガラスで覆うことで、観察が容易になります。この状態にした試料を「プレパラート」と呼び、顕微鏡観察の基本的な形態となります。

スライドガラスの種類と特徴

スライドガラスには、その加工方法や材料によっていくつかの種類があります。これらは実際の使用状況や目的に応じて選択されます。

切放

「切放」とは、元の板ガラスを単に切り出したもので、エッジの加工がされていません。このため、角が鋭いため取扱いには注意が必要ですが、コストが低いため経済的です。

縁磨

これに対して「縁磨」は、エッジが面取りされているものです。このため、角が取り扱いやすくなっていますが、製造コストは高くなります。

水ガラス

一般的なソーダ石灰ガラスから作られる「水ガラス」は、鉄分により薄緑色を呈します。こちらも比較的安価で、一般的に用いられます。

白ガラス

無色透明のホウケイ酸ガラスを使用した「白ガラス」は、やや高価ですが、透明度が高く観察に向いています。

フロスト

「フロスト」は、長辺の一部分がすりガラスになっており、表面にメモを取ることが可能です。

ホール

液体試料を観察する際に、保持が便利になるようにホールが設けられたスライドガラスも存在します。直径約1cm、深さは数mmの穴があり、特に厚い試料を扱う際に便利ですが、こちらは高価となります。

対物ミクロメーター

この特別なスライドガラスは、中央部に10μmごとの目盛りが刻んであり、絶対的な長さを提供するために使用されます。ただし、通常は他のミクロメーターの校正目的で用い、実際の試料を乗せて直接測定することはありません。

カバーガラス

スライドガラスに載せた試料の上に置くために使われるのが「カバーガラス」です。これもスライドガラス同様、薄いガラス板で構成されており、一般には一辺が1cm程度の正方形ですが、円形や長方形のものもあります。厚さは約0.15mmから0.17mm程度です。

結論

顕微鏡観察において、スライドガラスは実験の基本的な道具であり、その種類や目的によって選択が求められます。各種スライドガラスが持つ特性を理解することで、より精密な観察が可能となり、研究や教育における重要な役割を果たします。

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