スロバキア国民党 (1871-1938)

スロバキア国民党（SNS）とは

スロバキア国民党（Slovenská národná strana, SNS）は、1871年から1938年までスロバキアで活動していた、スロバキア史上最初の政党です。

創設と初期の活動

1871年6月6日、当時のハンガリー王国において、政府が進めるマジャール化政策に抵抗し、スロバキアの民族自治を求めることを目的に創設されました。当初はハンガリー議会に代表を送り込むことを目指し、結党から30年後の1901年にようやく4名の当選者を輩出しました。同年には、カトリック系やリベラル系の政治勢力が結集し、スロバキアの利益を代表する政党としての地位を確立しました。

1911年6月28日には、ハンガリー政府に対し、教育機関におけるスロバキア語の使用許可や、解散させられた民族文化団体マチツァ・スロベンスカーの財産回復を求める「スロバキア国民党の覚書」を提出しました。しかし、これらの要求は全て拒否されたため、同じスラヴ民族であるチェコ人との協力関係を模索する方針へと転換しました。1913年には、党内のカトリック系勢力が離脱し、スロバキア人民党を結成しました。

第一次世界大戦が勃発すると、スロバキア国民党は活動を一時停止し、ハプスブルク帝政への忠誠を表明しました。しかし、1918年になると、スロバキア民族の自決権実現を目標に掲げるようになり、同年9月12日には、非公式ながらスロバキア国民会議が結成されました。そして10月30日、マルチン宣言においてチェコ人との共同国家創設を宣言しました。

チェコスロバキア建国後の活動

チェコスロバキア建国後、スロバキア国民党は、チェコとスロバキアは単一の民族であるとするチェコスロバキア主義に反対し、スロバキア民族の存在とその政治的自治を強く主張しました。1920年にはスロバキア農業党と合同し、スロバキア国民党・農業党と改称しましたが、1922年には農業党が離脱し、再びスロバキア国民党の旧称に戻りました。1925年の選挙では得票数が伸び悩み、議席を失う結果となりました。

1929年の選挙では、国民民主党などと選挙連合を組んで15名の当選者を出すことに成功しましたが、そのうちスロバキア国民党所属の議員はわずか1名でした。1932年、党首のマルチン・ラーズスがスロバキア人民党党首のアンドレイ・フリンカとともにチェコスロバキア主義を拒否するズヴォレン宣言を発表し、両党は自治ブロックを結成。1935年の選挙ではスロバキア地域で30％の得票を獲得しました。

解散

ミュンヘン会談後の1938年、スロバキアに自治権が付与され、人民党のヨゼフ・ティソが率いる自治政府が樹立されました。その後、人民党と合同し、フリンカ・スロバキア人民党＝スロバキア国民統一党となりましたが、この合同は人民党主導で進められたため、スロバキア国民党は事実上、政党としての活動を停止しました。

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