スロバキア社会主義共和国

スロバキア社会主義共和国

スロバキア社会主義共和国（Slovenská socialistická republika、略称：SSR）は、1969年にチェコスロバキア社会主義共和国の連邦制導入によって、チェコスロバキア国内に設置された共和国（民族共和国）です。

概要

1968年の「プラハの春」における分権化要求に応える形で、「チェコスロバキア連邦に関する基本法」に基づき発足しました。この法律により、チェコスロバキア国民は新たにチェコ社会主義共和国またはスロバキア社会主義共和国、いずれかの国籍を取得することになりました。

政治体制

スロバキア社会主義共和国には一院制の地方議会であるスロバキア国民議会（定数150）が設けられました。また、連邦議会に対しては、人口に応じた選挙区選挙で人民院に、両共和国から各75人が民族院に議員を選出して送りました。しかし、「プラハの春」以降の「正常化」政策により、連邦政府への中集権化が強化され、両共和国の権限は次第に形骸化していきました。

スロバキア共和国への移行

ビロード革命後の1990年、社会主義体制を放棄し、国名をスロバキア共和国に改称しました。その後、「チェコおよびスロバキア連邦共和国資産のチェコ共和国およびスロバキア共和国への分割およびチェコ共和国およびスロバキア共和国への移行に関する基本法」に基づき、1993年1月1日にスロバキア共和国が成立しました。

現在のスロバキア共和国は、この法律に基づいてスロバキア域内の連邦機能と資産を承継し、独立国家として歩み始めました。

関連事項

チェコスロバキア
チェコ社会主義共和国
スロバキア共和国 (1990年-1992年)
スロバキア・ソビエト共和国

スロバキア社会主義共和国は、短期間ながらもスロバキアの歴史において重要な位置を占めています。その成立と変遷は、現代スロバキアの国家としてのアイデンティティを理解する上で欠かせない要素と言えるでしょう。

もう一度検索