スローンとマクヘールの謎の物語

『スローンとマクヘールの謎の物語』

ゲーム概要

『スローンとマクヘールの謎の物語』（スローンとマクヘールのなぞのストーリー）は、ゲーム開発会社レベルファイブが手がけ、2009年5月21日にニンテンドーDS向けに発売された推理アドベンチャーゲームです。同社のアタマニアシリーズ第1弾として登場し、プレイヤーが不可解な物語の真相を質問によって解き明かすという、独特のゲームプレイを提供しました。

水平思考パズルをDSで

本作のゲーム性は、「水平思考パズル」という形式に基づいています。これは、提示された断片的な情報や不可解な状況に対し、常識にとらわれずに様々な角度から質問を投げかけ、回答からヒントを得ながら真実を推理していく思考ゲームです。本来、水平思考パズルは複数人が会話をしながら遊ぶスタイルが一般的ですが、本作ではニンテンドーDSの機能を活用し、一人でも手軽に水平思考パズルを楽しめるようにアレンジされています。

原作は、水平思考パズルの代表的な書籍シリーズとして知られる「ウミガメのスープ」（エクスナレッジ社刊）です。ゲームタイトルに使用されている「スローンとマクヘール」という名称は、この「ウミガメのスープ」シリーズの作者であるポール・スローン氏とデス・マクヘール氏に由来しています。

ゲームプレイの流れ

プレイヤーの目的は、各問題で提示される物語の「結末」や「結果」だけから、その背後にある理由や真相を突き止めることです。

謎を解くための主な手段は「質問」です。ゲーム画面に表示された物語文中の気になる単語をタッチペンで選び、さらにそこから派生する関連語を組み合わせて線で結ぶことで、システムが自動的に質問文を作成します。作成した質問を決定すると、その質問に対する回答が「はい」「いいえ」「関係ない」のいずれかで示されます。

プレイヤーはこの質問と回答のやり取りを繰り返し、得られる情報を手がかりに推理を進めていきます。断片的な情報を論理的に組み合わせることで、少しずつ真相に迫っていく過程がゲームの醍醐味です。

推理を助ける要素

ゲーム中には、プレイヤーの推理をサポートする機能も用意されています。物語の核心に近いと思われる重要な質問と、その回答のやり取りは、「ヒント欄」に自動的に保存され、後でいつでも確認できます。これにより、思考の整理や見落としの防止に役立ちます。

さらに、謎の真相に非常に近い核心的な質問に成功すると、問題文には直接記されていない「シークレットワード」がオープンされます。シークレットワードは、その謎の解決に不可欠な鍵となる単語です。この単語そのもの、あるいはシークレットワードに関連する質問への回答は、真相解明に向けた強力なヒントとなります。

解答とクリア判定

十分に推理が進み、真相が分かったと確信したら、「解答する」ボタンをタッチして解答モードに入ります。解答モードでは、プレイヤーが理解した内容が正しいかどうかを確認するため、ゲーム側からいくつかの質問が出されます。提示された質問全てに正しく答えることができれば、その問題はクリアとなります。問題クリア後には、詳しい解説を読むことができ、謎の全体像を把握することができます。

続編の登場

本作のリリース後、2009年9月3日には続編である『スローンとマクヘールの謎の物語2』が発売されました。基本的なシステムは前作を踏襲しつつ、問題を解き進めることでサブゲームが遊べるようになるなど、新たな要素も追加されています。

『スローンとマクヘールの謎の物語』は、水平思考パズルというユニークなジャンルを、ニンテンドーDSの操作性を活かしてゲームとして成立させた意欲作です。論理的な思考力とひらめきを要求されるパズルゲームとして、多くのプレイヤーに新鮮な体験を提供しました。

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