スーパークラス (計算機科学)

スーパークラスとは

計算機科学において、スーパークラス（英: superclass）とは、他のクラスの派生元となる上位のクラスのことを指します。これは、オブジェクト指向プログラミングにおける重要な概念であり、親クラスや基底クラスとも呼ばれます。

スーパークラスから派生したクラスは、子クラス、派生クラス、あるいはサブクラスとして知られています。クラスAがクラスBのサブクラスである場合、「クラスAはクラスBを拡張する」と表現されます。

スーパークラスの役割

スーパークラスは、その名前が示すように、より一般的なクラスであり、サブクラスに共通の属性やメソッド（関数）を提供します。これにより、以下のようなメリットが生まれます。

1. コードの再利用性: スーパークラスに定義された機能は、複数のサブクラスで再利用できます。これにより、同じコードを何度も記述する手間が省け、開発効率が向上します。
2. 汎用インターフェースの提供: スーパークラスは、仮想関数（メソッド）を通じて、特殊化された機能に対する汎用的なインターフェースを提供できます。これにより、サブクラスはそれぞれ異なる実装を持つことができますが、外部からは同じインターフェースを通して利用できます。
3. モジュール化とカプセル化: スーパークラスは、共通の機能をオブジェクトにカプセル化する役割を果たします。これにより、コードの可読性や保守性が向上します。

オブジェクト指向プログラミングにおけるスーパークラス

スーパークラスのメカニズムは、オブジェクト指向プログラミングの中核をなす概念の一つです。継承というメカニズムを通じて、スーパークラスで定義された属性やメソッドをサブクラスが引き継ぎ、必要に応じて拡張や変更を行うことができます。

多くのオブジェクト指向言語では、抽象クラスと具象クラスの両方をサポートしています。抽象クラスは、インスタンス化することができないクラスであり、サブクラスに実装を強制するメソッドを持つことができます。具象クラスは、インスタンス化が可能で、具体的な実装を持つクラスです。

語源

スーパークラスという言葉は、集合論における上位集合（superset）に由来します。上位集合は、他の集合の要素をすべて含んでいる集合のことです。スーパークラスは、サブクラスが持つべき共通の属性やメソッドを提供するという意味で、上位集合の概念と類似しています。

関連概念

• - クラス: オブジェクト指向プログラミングにおける基本的な構成要素で、オブジェクトの設計図となるものです。
• - サブクラス: スーパークラスから派生したクラスのことで、スーパークラスの属性やメソッドを継承します。
• - 継承: スーパークラスの属性やメソッドをサブクラスが引き継ぐメカニズムです。
• - 実装継承: スーパークラスのインターフェースと実装の両方をサブクラスが継承することです。
• - 継承セマンティックス: 継承がプログラムの振る舞いにどのように影響するかに関するルールや意味のことです。
• - 仮想継承: 多重継承における曖昧さを解消するための継承方法です。
• - 上位集合: 集合論における概念で、他の集合の要素をすべて含んでいる集合のことです。

もう一度検索