スーパータイガージム

スーパータイガージムの歴史

スーパータイガージムは、1984年に元新日本プロレスのタイガーマスクこと佐山聡によって設立された、日本初の総合格闘技ジムです。当初は東京都世田谷区瀬田に「タイガージム」としてオープンし、その目的は一般の会員に新しい型の格闘技を教えることでした。しかし、そこには悪徳マネージャーが絡んだ複雑な事情がありました。

最初はリングネームを「タイガーマスク」から「ザ・タイガー」に変更した佐山ですが、実質的にはマネージャーのショウジ・コンチャがその場を支配していました。彼は佐山を金儲けの道具として利用することを目論んでおり、ジムはスポーツクラブ内で運営されていたため、会員に直接教えることができない状況でした。この奇妙な環境に佐山は次第に不信感を抱くようになり、コンチャの真意を知った後、彼との関係を絶つことになります。

コンチャとの別れを経て、佐山は1985年に東京都世田谷区三軒茶屋に「スーパータイガージム」を新たに設立しました。この施設では、従来のプロレスとは異なる新しい格闘技「シューティング」を指導し、次第にその理念を根付かせていきます。入会希望者は多く、佐山を慕う元プロレスファンや弟子志望の者たちが続々と集まり、ジムの規模は膨張しました。この頃、テレビドラマ『ウルトラマン80』の主演俳優である長谷川初範も、俳優家業の傍ら、ジムに通っていました。

ジムは開設から1年後、隣のビルに移転し、その後も規模を拡大していきます。1990年代には川崎市を経て、東京から神奈川へと移転を繰り返し、さらには埼玉県を拠点にすることとなりました。特に1994年には「スーパータイガージム大宮」を設立し、この頃から「シューティング」が「修斗」として広く知られるようになりました。大宮ジムは多くの選手を育成し、活気ある場所となりました。

しかし、徐々に内部では対立が生じ、1996年には大規模なクーデターが発生します。佐山が再びタイガーマスクとして戻ることに、弟子たちが反発し、結果的に彼はジムを追い出される事態に発展しました。その後、ジムは「シューティングジム大宮」に名称を変え、以降は佐山なく独自に運営が続けられます。

その後も大宮ジムは様々な変遷を経て、代表が交代する中で名称変更がなされ、現在は「PUREBRED」として活動を続けています。さらに、スーパータイガージムの名を冠するジムはいくつか存在し、群馬県や千葉県でもそれぞれの支部が運営されています。

このように、スーパータイガージムは日本の総合格闘技の発展に大きく寄与し、その歴史には多くの選手や指導者が関わっています。現在もなお、その影響は続いており、格闘技文化が深く根付いた重要な場であり続けています。

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