スーパーミニコンピュータ

スーパーミニコンピュータ（スーパーミニ、英：superminicomputer, supermini）は、従来のミニコンピュータよりも高い性能を持つコンピュータの分類です。1970年代中頃に、主に16ビットのミニコンピュータと区別するために、32ビットのミニコンピュータを指す言葉として登場しました。

当時、ミニコンピュータは企業や研究機関などで広く利用されていましたが、より高度な処理能力を求めるニーズが高まっていました。そこで、従来のミニコンピュータのアーキテクチャを拡張し、32ビットのデータ処理能力を持つスーパーミニコンピュータが開発されました。これにより、より複雑な計算や大規模なデータ処理が可能となり、科学技術計算やCAD/CAMなどの分野で活用されるようになりました。

スーパーミニコンピュータは、当時のメインフレームコンピュータに匹敵する処理能力を備えながらも、比較的小型で価格も抑えられていたため、幅広いユーザーに受け入れられました。代表的な機種としては、DEC（Digital Equipment Corporation）のVAXシリーズやData GeneralのEclipse MVシリーズなどが挙げられます。これらの機種は、高度なソフトウェア開発や大規模なデータベース管理などで広く利用され、コンピュータ技術の発展に大きく貢献しました。

しかし、1980年代後半から1990年代にかけて、マイクロプロセッサ技術の進歩により、パーソナルコンピュータ（PC）の性能が飛躍的に向上しました。また、ワークステーションと呼ばれる高性能なコンピュータも登場し、スーパーミニコンピュータの市場は次第に縮小していきました。現在では、スーパーミニコンピュータという用語は「ミニコンピュータ」と同様に廃れ、コンピュータの歴史的な用語となっています。

主なスーパーミニコンピュータの例

Norsk Data Nord-5
Norsk Data Nord-50 (1975年)
Interdata 7/32および8/32 (後にPerkin-Elmerに買収)
Systems Engineering Laboratories 32/55 (1976年)
DEC VAX-11/780 (1978年2月)
Data General Eclipse MV/8000 (1980年)
MAI Basic Four MAI 8000 (1983年) および MPx
Gould Electronics Powernode 9080
Gould Electronics NP-1
Norsk Data ND-500 (1981年)
Norsk Data ND-570/CX
Prime Computer 750

注意点

スーパーミニコンピュータとミニスーパーコンピュータは、名称が似ていますが異なるものです。ミニスーパーコンピュータは、小型のスーパーコンピュータであり、コンベックスなどが例として挙げられます。スーパーミニコンピュータがミニコンピュータの延長線上にあるのに対し、ミニスーパーコンピュータはスーパーコンピュータの小型版という位置づけになります。

スーパーミニコンピュータは、コンピュータの歴史において、重要な役割を果たした存在です。その登場は、コンピュータの性能向上だけでなく、価格の低減にもつながり、より多くの人がコンピュータを利用できるようになったという意味でも、その功績は大きいと言えるでしょう。

関連事項

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