スーパー公務員

スーパー公務員とは

「スーパー公務員」とは、従来の枠にとらわれず、地域社会に貢献する革新的な公務員の通称です。この概念は、竹中平蔵経済研究所とスーパー公務員養成塾実行委員会が主催した「スーパー公務員養成塾」プロジェクトによって提唱されました。

スーパー公務員養成塾

経済産業省の鈴木英敬氏（当時）の構想に竹中平蔵氏が賛同し、若手官僚らが中心となって実行委員会が組織されました。竹中平蔵経済研究所が協力し、2005年から「スーパー公務員養成塾」が始まりました。塾では、若手公務員や学生を対象に、政策立案の能力開発を目的とした講義やワークショップが開催されました。竹中氏自身も講師を務め、20世紀型の行政指導から、自ら考え、リスクを負いながら政策を立案する21世紀型の公務員像を提唱しました。

第2期からは「ソーシャルアクションスクール」と名称を変更し、対象を民間企業にも広げ、東京、大阪、松山、札幌などで開催されました。その後も継続的に開催され、地域活性化に貢献する人材育成の場となっています。

スーパー公務員の実例

スーパー公務員と呼ばれる人々は、それぞれの地域で独自の取り組みを行い、目覚ましい成果を上げています。以下に、その代表的な例を紹介します。

鈴木英敬：経済産業省職員を経て、三重県知事に就任。地域経済の活性化に尽力。
木村俊昭：小樽市職員としてガラス工房を誘致し、ガラスの街としてのブランド化を推進。内閣府や農林水産省にも出向し、地域活性化政策の立案に携わる。
高野誠鮮：羽咋市職員として、コスモアイル羽咋の開設や、神子原米のブランド化に貢献。
寺本英仁：島根県邑南町職員として、情報ポータルサイトの立ち上げや特産品ネットショップの運営、A級グルメのまちづくりなど、多岐にわたる地域振興策を展開。

寺本英仁氏の事例詳細

寺本氏は、邑南町の合併を機に、地域情報の発信と特産品の販売を目的とした情報ポータルサイト「みずほスタイル」を立ち上げました。また、全国公募型のコンテスト「Oh!セレクション」を実施し、地域産品の販路拡大に貢献しました。

さらに、「A級グルメのまちづくり」を推進し、町営イタリアンレストラン「素材香房ajikura」を開設。地域おこし協力隊をシェフとして招き、研修後の起業を支援するなど、人材育成にも力を注ぎました。これらの活動は、マスコミにも注目され、多くの視察者が訪れています。

寺本氏の活動は著書『ビレッジプライド 「0円起業」の町をつくった公務員の物語』にもまとめられており、尾崎行雄記念財団の「咢堂ブックオブザイヤー2018」や、食生活ジャーナリスト大賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

まとめ

スーパー公務員は、従来の公務員のイメージにとらわれず、地域社会の課題解決に積極的に取り組む存在です。彼らの活動は、地域活性化の新たな可能性を示唆しており、今後の公務員像に大きな影響を与えることが期待されます。

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