スーパー詰将棋

スーパー詰将棋（すーぱーつめしょうぎ）

スーパー詰将棋とは、詰将棋の特定の分類であり、詰め上がりの局面において攻め方の駒が1枚だけである状態を示す概念です。この形式は「単騎詰」とも称され、通常の詰将棋とは異なる魅力を持っています。

スーパー詰将棋の概念

一般的な詰将棋では、攻め方の側は通常2枚以上の駒を使用して詰みを実現します。例えば、典型的な「煙詰」では、王手をかける駒だけでなく、王手を支持する駒や相手の合駒をブロックするための駒などが必要とされます。しかし、特定の条件のもとでは、1枚の駒だけで詰むことが可能な局面が存在し、これがスーパー詰将棋の基本的な考え方です。

詰将棋の最終形において攻め方の駒が1枚であるため、使用できる駒は飛車、角行、竜王、馬、桂馬、香車のいずれかに限定されます。角は最大3手、桂は5手、香は7手までの詰みを持つため、他の駒を使った詰みは一定の手数を必要とします。

具体例と詰将棋の特性

次に具体的な例を挙げてみましょう。例えば、図1の局面では、以下の手順に従い、9手で詰むことができます。

1. ▲1三龍（攻め方が龍での手）
2. △2九玉（相手が王を移動）
3. ▲3九と（攻め方がと金にして玉を追い詰める）
4. △同玉
5. ▲1九龍
6. △3八玉
7. ▲3七と
8. △同玉
9. ▲3九龍

この最後の局面では、攻め方の駒は3九の龍だけとなり、これがスーパー詰将棋の条件に合致します。また、この局面では玉方の持ち駒が桂と歩のみであり、他の駒は使用できないため、玉は逃げる以外の選択肢がありません。

手数と記録

スーパー詰将棋は1956年に提唱され、その際に集まった作品の中で、森茂が創作した63手が最長手数作品として注目されました。その後、翌年には75手の作品が発表され、1970年には花沢正純による103手の問題も登場しますが、後により早く詰む手順が発見され、記録の扱いには議論が残ります。

その後、1983年に添川公司による97手詰が最長記録となり、2009年には再び添川による109手詰が登場し、2020年に最長手数を113手に更新しました。これにより、スーパー詰将棋の魅力と難解さが一層際立っています。

このようにスーパー詰将棋は、詰将棋の世界における特異な存在であり、ただ単に駒の数が少ないというわけではなく、複雑さと戦略が求められる形式です。特に長手数の問題は、挑戦する価値があり、多くの愛好者にとって魅力的なターゲットです。

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