スーボ

スーボ：写研の独創的な装飾書体

スーボは、1974年に登場した写研の装飾書体で、開発を手掛けたのは当時の社員である鈴木勉です。名前の由来は「スズキ」の「ス」と「丸ゴシックボールド」に由来し、その特徴としては極太のデザインが挙げられます。特に目を引くのは、画が重なる部分に施された「くい込み」と呼ばれる処理です。この処理によって、通常の太字書体では潰れてしまう可能性のある部分を大胆に切り離すことができ、各文字の構造が際立って見えるようになっています。

特徴と用途

スーボのデザインは、文字としての骨格を強調すると同時に、視覚的にも印象的な効果を与えます。そのため、主に見出しやPOP広告など目を引く必要がある場面での使用が推奨されています。そのユニークなスタイルは、特に注目を集め、ラベルやポスター、その他商業的な視覚メディアで広く取り入れられています。

特にテレビ番組では、1980年春にリニューアルされたNHK総合の『お好み演芸会』において、出演者やスタッフの姓名クレジットに使用され、その名を広めることとなりました。また、スーボは第2回石井賞創作タイプフェイスコンテストにおいて最優秀賞を受賞しており、デザイン界でも高く評価されています。

ファミリーラインナップ

スーボは、基本体の他にも様々なバリエーションがあります。以下はいくつかのファミリーです。

1. スーボ（BSU）: 基本の書体。
2. スーボB（BSU-B）: くい込み処理が強調された専用のかな書体です。
3. スーボO（OSU）: 袋文字（白抜き）のスタイル。
4. スーボOS（OSSU）: 袋文字に影が付加されたバージョンとなります。

このように、スーボは多様な表現が可能であり、デザインにおいてさまざまなシーンで活用されています。

今後の展開

スーボは長い間、写研の手動写植機や電算写植機でのみ使用されてきましたが、2024年10月15日より、モリサワのクラウド型フォントサービス「Morisawa Fonts」にも登場します。これにより、スーボは多くのデザイナーやユーザーにとってアクセスしやすくなり、さらに広範囲での利用が期待されています。特に「写研クラシックス」として提供されるため、レトロな雰囲気を楽しむこともでき、多様なプロジェクトに役立つことでしょう。

参考情報

• - スーボ BSU（写研アーカイブサイト）
• - スーボ（モリサワ公式サイト）
• - 亮月製作所 - 書体のはなし - スーボ

スーボは、そのユニークなデザインと使用方法によって、現代の書体デザインに影響を与え続けています。

もう一度検索