ズデンコ・ベルデニック

ズデンコ・ベルデニックの略歴

ズデンコ・ベルデニックは1949年5月2日にスロベニアで生まれた。両親が教師であったため、教育環境で育ち、リュブリャナ大学にて体育学を専攻。学生時代は3部リーグのソボーダでプレーしながら、1972年に指導者育成コースを無事卒業した。その後、ユーゴスラビア2部リーグのNKジェレズニチャル・マリボルで活躍し、その後の指導者キャリアへと進んでいく。

選手としてのキャリアが徐々に厳しくなっていく中、大学時代の教授であるブランコ・エルスナーに誘われ、アシスタントコーチとしての第一歩を踏み出す。選手兼監督としても活動を行い、28歳で選手としてのキャリアを終えると、ドイツ体育大学ケルンでフスバルレアラーコースを修了。1981年にはザグレブ大学で修士号を取得し、1985年にはリュブリャナ大学で博士号を取得した。

日本での活動と戦術の導入

ベルデニックは、ドイツでの活動を経て、1990年代初頭に日本に渡る。彼が特に影響を与えたのは、北摂蹴鞠団というチームでの指導であり、ここで「ゾーンプレス」という概念を持ち込む。この戦術は、特に横浜フリューゲルスでの指導時に重要となり、日本のサッカー界において画期的な戦略として評価されることとなった。

1991年に横浜フリューゲルスのコーチに就任し、名監督アッリーゴ・サッキの理念に基づくプレッシング戦術を取り入れる。1993年にはスロベニア代表の監督に就任したが、その結果はあまり芳しくなく、UEFA EURO '96予選や1998 FIFAワールドカップ予選で敗退した。何度かの監督経験を経て、1998年にはオーストリア・ブンデスリーガのFKアウストリア・ウィーンの指揮を執るも、短い在任期間で解任される。

その後、でJリーグのジェフユナイテッド市原に就任し、チームを降格圏から引き上げる功績を残す。続いて名古屋グランパスエイトに迎え入れられ、好成績を収めながらも最終的には解任。しかし彼の在任中に記録した無敗試合数は今もなお語り継がれている。

戦術理念と監督としてのスタイル

大宮アルディージャの監督を務めた際には、4バックを採用し、規律ある守備とアグレッシブな攻撃を強調。選手たちの役割を固定し、シンプルで明確な戦略を掲げた。これにより、彼自身の指導するチームは後にアトレティコ・マドリードのスタイルと比較されることが多くなった。

ベルデニックは日本サッカー界においても非常に重要な存在であり、彼が導入した「ゾーンプレス」は、その後の世代に受け継がれている。監督としてのスタイルはしっかりとした基盤を持ちながら、時には革新的なアプローチをすることで知られている。

現在の活動

解任後はリュブリャナ大学で教授として教鞭を執りながら、サッカー解説者としても活動する。2009年にはスロベニア代表チームのディレクターを務め、2010年以降はNKインテルブロック・リュブリャナや大宮アルディージャで監督を再び務めた。彼の名声は日本国内外で高く、彼の戦術や指導法は多くのサッカーファンや選手から尊敬されている。今もなお、彼の足跡はサッカー界で語り継がれ、多くの指導者に影響を与え続けている。

もう一度検索