ズーキヤ

ズーキヤ（ダイナヴァ）地方

ズーキヤ（リトアニア語: Dzūkija）、またはダイナヴァ（Dainava）は、リトアニアに存在する5つの民族誌的地域の一つです。現在のリトアニア南東部に位置し、その地域は独自の文化と自然景観によって特徴づけられています。

特徴

ズーキヤ地方は、その地域に住む人々の伝統的な生活様式や、特有の方言によって他の地域と区別されます。ただし、政治的、行政的な意味で独立した地域として扱われたことはありません。伝統的にアリートゥスが中心都市とされていますが、必ずしも最大の都市ではありません。

第一次世界大戦後には、一部がポーランド第二共和国の領土となりました。

地理

ズーキヤ地方はリトアニア南東部に位置し、行政的にはアリートゥス郡とヴィリニュス郡の南部にまたがっています。歴史的には、現在のポーランド北東部（ポドラシェ県）やベラルーシ西部の一部も含まれていました。

リトアニア国内で最も人口密度が低い地域であり、ヴァレナ地区自治体では1平方キロメートルあたり15人を下回ります。

土地の大部分は砂地で農業には適していません。そのため、マツの木々が生い茂る広大な森林（ダイナヴァの森）が広がっています。ベラルーシとの国境近くには、リトアニア最大の湿地であるチェプケレイ湿地も存在します。

痩せた土地のため農産物の収穫量は少なく、他の地域と比較して貧しい状況にありました。住民は、食用キノコやベリーを森から採取することで生活を補っていました。現在でもキノコ狩りは地域経済を支える重要な産業の一つです。

リトアニアに5つある国立公園のうち、ズーキヤ地方にはズーキヤ国立公園（ヴァレナ東部、1991年制定）とトラカイ国立歴史公園（トラカイ近郊、1992年制定）の2つがあります。

言語

ズーキヤ地方の人々は、伝統的にズーキヤ方言（南アウクシュタイティヤ方言）を話します。これはアウクシュタイティヤ方言の下位方言に分類されます。しかし、他の地域と同様に、学校教育やメディアを通じて標準リトアニア語が普及し、ズーキヤ方言は衰退しつつあります。

興味深いことに、16世紀初期に書かれた最初のリトアニア語の手書き文書には、ズーキヤ方言の特徴が見られます。

シンボル

ズーキヤ地方の紋章は、青い盾の中にポールウェポンを持った白い戦士が描かれています。青色は忠誠心と強さを象徴しています。紋章を支えるのは2匹のヤマネコで、ラテン語で「Ex gente bellicosissima populus laboriosus」（「非常に好戦的な人々から生まれた勤勉な民」）と記されています。

この紋章は、歴史的なトラカイの紋章を参考に、紋章芸術家アルヴィーダス・カジュダイリスによって2003年に制作されました。ズーキヤ地方はかつてトラカイ公国の一部であり、その後14世紀から18世紀にかけてはトラカイ県の一部でした。この紋章は、トラカイ地区自治体の紋章（赤い盾の中に槍を持った戦士が描かれている）を修正したもので、元々はトラカイ公ケーストゥティス（1297年 - 1382年）の紋章でした。同様のデザインは、2004年にアリートゥス郡の郡章にも採用されています。

脚注

関連項目

BCズーキヤ - かつて存在したズーキヤ地方アリートゥスを本拠地としていたバスケットボールクラブ

外部リンク

Dzūkija National Park - Dzūkijos nacionalinis parkas

もう一度検索