セカンドラベル

セカンドラベル、またはセカンドワインとは、ワイン生産者が最上級品として位置づけるファーストラベル（グラン・ヴァン）の基準に満たなかったブドウやワインを使用して、名前とラベルを変えて販売されるワインのことです。特にフランスのボルドー地方で広く行われており、他の国や地域でも同様の取り組みが見られます。

セカンドラベルが生まれる背景には、いくつかの要因があります。例えば、樹齢の若いブドウから収穫されたブドウや、天候不順などの影響で品質が基準に達しなかったブドウが使用されることがあります。また、醸造や熟成の過程で、ファーストラベルにふさわしくないと判断されたワインも、セカンドラベルとして販売されることがあります。さらに、ファーストラベルとは異なる畑の区画で収穫されたブドウを使用する場合もあります。シャトーによっては、セカンドラベルよりもさらに下の品質のワインとして、サードラベルのワインを生産・販売することもあります。

セカンドラベルのワインは、一般的にファーストラベルのワインと比較して品質は劣りますが、価格が手頃であるという大きなメリットがあります。また、長期の熟成期間を必要としないため、比較的早く楽しめるという点も魅力です。そのため、ファーストラベルのワインを気軽に試してみたいというワイン愛好家や、日常的に高品質なワインを楽しみたいという消費者にとって、魅力的な選択肢となります。

セカンドラベルのワインは、1930年にシャトー・ムートン・ロートシルトが初めて製造したとされています。このシャトーのセカンドラベルである「ル・プティ・ムートン」は、現在でも高い人気を誇っています。

以下に、1855年のメドック格付けで1級とされているシャトーと、そこで造られるセカンドワイン、サードワインの例をいくつか示します。

シャトー・ラフィット・ロートシルト
セカンドワイン：カリュアド・ド・ラフィット
シャトー・マルゴー
セカンドワイン：パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー
シャトー・オー・ブリオン
セカンドワイン：ル・クラランス・ド・オー・ブリオン
シャトー・ムートン・ロートシルト
セカンドワイン：ル・プティ・ムートン
シャトー・ラトゥール
セカンドワイン：レ・フォール・ド・ラトゥール

これらのセカンドラベルワインは、それぞれのシャトーの個性を反映しつつ、ファーストラベルとは異なる魅力を持っています。ワイン選びの際に、セカンドラベルも選択肢に入れることで、より幅広いワインの世界を楽しむことができるでしょう。

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